今回で3回目を迎える、パンダの故郷四川省でのバードウォッチングツアー。標高2000m〜4000m付近の高地を1週間に亘り巡ってまいります。 中国というと良いイメージを持っている方は少ないかもしれません。トイレ事情、ホテル事情、大気汚染と心配は尽きませんが、このツアーで巡る高地は風光明媚で、どこを訪れても素晴らしい風景に感動します。ホテルも立派なホテルが多く、不自由をおかけすることはないと考えています。トイレ事情に関しては、ホテルや観光地では何も問題ありませんが、バードウォチングをしている道々は、トイレがないと思ってもらった方が良いかもしれません。一番心配なのは高山病でしょうか。身体を高地に慣らしながら、ゆっくり巡ってまいります。それよりも、中国には鳥がいるの?と思われる方もいるかもしれませんね。昨年は120種類ほどの野鳥に巡り会えました。その中にはルリビタイジョウビタキやウスベニタヒバリ、キバラガラなど、日本で珍鳥と言われる野鳥も含まれます。もちろん、中国を訪れなければ滅多に出会えない野鳥も多く、風景とともに十分楽しんでいただけるでしょう。 さて山岳地帯のメインになる野鳥はというとキジの仲間です。ベニキジ、カラニジキジ、シロミミキジ、アオミミキジ、ユキシャコ、チベットセッケイなど。どれも美しい鳥ですが、なかなか見るのは難しく、この鳥を求め欧米のバードウォッチャーも来中するくらいです。前回は6種類のキジ類を見ることができました。さて今回はどうでしょうか。 種類が多いのはムシクイの仲間。標高が変わるたび、また少し移動するたびに種類が変わります。日本のムシクイ同様、地味な鳥が多いですが、しっかり見られればその可愛さが伝わってきます。ムシクイ類の中にはキバラムシクイやフジイロムシクイといった分かりやすいムシクイもいます。中でもフジイロムシクイは、名の通りお腹が紫色をしており、こんなきれいなムシクイがいるのか!と感激されることでしょう。 その他にはマミジロマシコやコウザンマシコなどの赤いマシコ類、ハイイロカンムリガラやカンムリシジュウカラなどのカラ類、ガビチョウ類などが見られます。高所に棲むムラサキツグミは是非出会いたい鳥の一つです。また高地と言っても湿地が存在します。その湿地ではアカツクシガモ、アジサシ、クロハラアジサシ、世界的な珍鳥のオグロヅルが見られます。空を見上げればヒマラヤハゲワシが飛び交い、近くを飛翔することもあり、その大きさにも驚かされます。中国にもたくさんの野鳥がいることを感じさせてくれます。 このツアーでは世界遺産に登録されている九寨溝と黄龍にも訪れます。もちろん両箇所とも野鳥が豊富で、美しい景色を眺めながら野鳥を楽しんでいきます。一昨年大きな地震に見舞われましたが、探鳥には何も問題はありません。このツアーでは現地のバードガイドが同行します。きっと皆さんに、たくさんの野鳥を見せていただけることでしょう。 高所と言っても寒さは厳しくありません。フリースやジャケットがあれば十分でしょう。是非、四川省の鳥を楽しんでみてください。 バードガイド 中野泰敬 (出会いたい鳥たち) シロミミキジ、アオミミキジ、カラニジキジ、アカツクシガモ、オグロヅル、クロハラアジサシ、ヒマラヤハゲワシ、イヌワシ、アカガシラサギ、カベバシリ、チベットモズ、サンジャク、キバシガラス、コクマルガラス、チャイロツグミ、キンイロヒタキ、ムネアカノゴマ、ルリビタキジョウビタキ、セアオビタキ、ムラサキツグミ、ヤマザキヒタキ、ハイイロカンムリガラ、キバラガラ、フジイロムシクイ、チャバネムシクイ、ハシブトムシクイ、カキハガビチョウ、カンスーガビチョウ、オオシロボシガビチョウ、シロエリカンムリチメドイ、ウスベニタヒバリ、アカチャイワヒバリ、マミジロマシコ、ミヤマヒゲホオジロなど
※九塞溝は2018年3月より訪問可能となりました。また2回目のツアーより宿泊ホテルの一部を変更し、品質向上に努めています。
※前回のツアーの様子は弊社HP「中野泰敬の自然見聞録」第18回に記載されています。
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