毎年恒例の三宅島ツアー。今年は私、中野と海鳥ガイド中村の2名でご案内します。 夜、竹芝桟橋を出航し目が覚めれば、もうそこは三宅島。荷物を宿に置き、さあ、出発と思ったら、宿の周りでイイジマムシクイの大合唱。庭先には本州とは亜種が異なるオーストンヤマガラが飛び交い、庭の芝生を見渡せばアカコッコが餌を取っている。なかなか出発できない!そんな状況が待っているかもしれません。 先ずは宿から近い大路池へ向かいましょう。池に向かう道はスダジイやタブノキなどが生い茂り林は暗いですがイイジマムシクイ、カラスバト、モスケミソサザイなどの声が聞こえてくるでしょう。コマドリの声も頻繁。三宅島のコマドリは、一年中島に棲むタネコマドリという亜種。本州のコマドリとどこが違うのかじっくり見たいものです。池ではミサゴやサシバの猛禽類、アマツバメの乱舞に期待したいところです。三宅島のビジターセンター「アカコッコ館」に立ち寄れば、日本野鳥の会のレンジャーが常駐しており三宅島の自然について解説してくれます。三宅島について少し勉強していきましょう。勉強が終わったら観察窓を除いてみましょう。湿地が広がり、その湿地でミミズを獲りにアカコッコがよく現れます。 次に宿から大路池とは反対方向へ進むと三宅高校があります。三宅高校の脇の小道に入くと、ここはカラスバトが良く集まっている場所で、普段、黒っぽくしか見えないカラスバトが、光を浴びて紫色に輝く本来の色彩で見られるはずです。この林でもタネコマドリのさえずりがよく聞かれます。カラスバトと併せ探していきましょう。 今度は車で三宅島の北西部、伊豆岬へ行ってみます。宿から最も遠い場所に当たりますが、ここはウチヤマセンニュウの生息場所。チーチョビチョビチョビというさえずりがあちらこちらから聞こえてきます。ウチヤマセンニュウは局地的に分布する珍しい鳥。この三宅島が最も簡単に見られる場所と言っても過言ではないでしょう。また伊豆岬は渡りのコースになっているので、渡り途中のシギやチドリ類にも期待しましょう。岩礁地帯にはイソヒヨドリやクロサギの姿もあるかもしれません。 太平洋に浮かぶ島ですから、生息する野鳥の種類は限られますが、三宅島には、本州では見られない種、亜種ばかり、ここでしか見られない野鳥ばかりと言えます。そのような野鳥を2日間、じっくり楽しんでいきましょう。また帰路は日中の船ですのでオオミズナギドリやオーストンウミツバメなどの海鳥を楽しむことができます。気象条件によっては、船の間近で飛ぶこともあり、帰りの船もしっかり楽しんでいきましょう。 バードガイド 中野泰敬 (出会いたい鳥たち) カラスバト、オオミズナギドリ、オーストンウミツバメ、ホトトギス、アマツバメ、ムナグロ、サシバ、アオバズク、オーストンヤマガラ、イイジマムシクイ、ウチヤマセンニュウ、モスケミソサザイ、アカコッコ、タネコマドリなど
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