毎年好評を頂いている4月の奄美大島ツアー。この島は言わずと知れた固有種、固有亜種の宝庫です。奄美在住のガイドさんの同行を得て、それらの鳥をすべて楽しむ事を目標にしました。 さて、固有種にはアカヒゲ、ルリカケス、アマミヤマシギがいます。アカヒゲは、今まさに繁殖に入るところ。森の中からコマドリに似た‘チンチュルチュルチュル’と柔らかなさえずりが響き渡ります。ルリカケスは子育ての真っ最中。餌を取っては巣に戻るという行動を繰り返し、目の前を飛び交う姿がよく見られます。アマミヤマシギは夜行性のため、残念ながら早朝に声だけが聞こえる程度かもしれません。また固有亜種としてはアマミヤマガラ、アマミヒヨドリ、オーストンオオアカゲラ、オオトラツグミなどが生息します。そして一番の狙いはオーストンオオアカゲラになるでしょう。この鳥もようやく繁殖に入り始める時期に当たり、毎年巣穴を掘る姿が見られています。巣穴を掘っているオーストンオオアカゲラは警戒心がなく、間近で見られることもしばしば。奄美大島の森は鬱蒼とし、見通しも悪く鳥を探すことが困難ですが、そんな環境の中で、これらの林の鳥と最も出会う確率の高い奄美自然観察の森へ何回か足を運び狙っていきます。最近はオオトラツグミの声も自然観察の森で聞かれるようになってきましたので、ぜひその姿を見たいところです。 この時期は渡り途中の鳥との出会いも楽しみです。干潟を訪れればオオソリハシシギ、アカアシシギ、オバシギ、オオメダイチドリなど、多くのシギやチドリが見られます。草地へ行けばムネアカタヒバリやいくつもの亜種のハクセキレイ、移動途中にはコムクドリやギンムクドリなどの小鳥が、毎年のように現れてくれます。 まさにこの時期が島のベストシーズン。奄美大島に生息する固有種や固有亜種をメインに観察しながら、渡り途中の珍鳥にも期待しながら3日間を過ごしてまいりましょう。 バードガイド 中野泰敬 (出会いたい鳥たち) シマアジ、ズアカアオバト、カラスバト、アマサギ、クロサギ、オオメダイチドリ、オオソリハシシギ、オバシギ、オジロトウネン、サルハマシギ、ミサゴ、サシバ、リュウキュウコノハズク、オーストンオオアカゲラ、リュウキュウサンショウクイ、コムクドリ、ギンムクドリ、ルリカケス、オオトラツグミ、アカヒゲ、イソヒヨドリ、リュウキュウキビタキ、ムネアカタヒバリなど |
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