台湾は、日本の与那国島から100qほどしか離れていないにもかかわらず、林には日本では見られない野鳥が数多く生息しています。更に生息密度がはるかに濃く、一か所にじっとしているだけでも何種類もの野鳥を見ることができます。固有種が多いのも特徴の一つ。25種類もの固有種が生息しており、毎年15種前後の固有種に出合っています。台湾の野鳥は、標高差により棲み分けをしているため、平地から標高2500mまでの様々な探鳥地を訪れ多くの野鳥に出会いたいと思います。 さて、このツアーのメインになる野鳥の一つにヤイロチョウがいます。日本と同じ種類のヤイロチョウが生息し、しかも生息数は日本よりはるかに多いと言えるでしょう。しかしヤイロチョウの見づらさはどこも一緒。決して見やすいわけではありません。そこで、このツアーではヤイロチョウを研究している地元ガイドに案内をお願いしています。毎回、ヤイロチョウの営巣地に案内していただき、ヒナに餌を運ぶヤイロチョウの姿を見ています。毎年巣を作る場所が変わり、今年は何処だろう?という楽しみもありますが、皆さん全員がしっかり見られる場所であることを願っています。 台湾固有の鳥が多く見られるのは標高の高いところです。中央に位置する大雪山脈がそのポイントになります。先ず目をひくのがサンケイとミカドキジというヤマドリの仲間。日本のヤマドリとは違う美しさがあり、思わずその姿にため息がもれます。宿の周辺ではミミジロチメドリ、カンムリチメドリ、ヤブドリ、タカサゴミソサザイなどの固有種を中心にコンヒタキ、チャバラオオルリ、キバラシジュウカラなどが目を楽しませてくれます。宿から少し標高を上がればニイタカキクイタダキ、アリサンヒタキ、タカサゴマシコ、キンバネホイビイなどの固有種が待ち受けてくれます。野鳥ではありませんが、宿泊地内の森にはカオジロムササビというかわいらしいムササビがたくさん棲んでいます。夕食後のムササビウォッチングもこのツアーの楽しみと言ってよいでしょう。 大雪山から下り標高800メートルの中山帯も探鳥ポイントの一つです。ここは国鳥であるヤマムスメを狙い、その他カワビタキやベニサンショウクイ、固有種のルリチョウやヒメマルハシなど、高い標高では見られなかった鳥を楽しんでいきます。更に標高が低いヤイロチョウの生息する森ではヒゴロモという赤と黒のコントラストの美しい鳥やゴシキドリ、カヤノボリ、メジロチメドリ、コシジロムシクイなどを狙っていきます。 このツアーのもう一つのメインでもあるレンカク。繁殖羽のレンカクは美しく、スイレンとヒシが繁茂する池を優雅に歩いています。繁殖時期ですので、抱卵しているレンカクや、かわいいヒナを連れたレンカクもいるでしょう。また間近を飛行するレンカクは格別です。レンカクの保護区を訪れじっくり観察したいと思います。5日間を通し、日本とは比べものにならないほどの野鳥の多さに、きっと驚かれることでしょう。 バードガイド 中野泰敬
(出会えそうな鳥) カザノワシ、カンムリワシ、サンケイ、ミカドキジ、ゴシキドリ、ベニサンショウクイ、クロヒヨドリ、アリサンヒタキ、カワビタキ、シロクロヒタキ、カワビタキ、ルリチョウ、ヒメマルハシ、ミミジロチメドリ、カンムリチメドリ、アオチメドリ、コシジロムシクイ、ニイタカキクイタダキ、タイワンオオセッカ、チャバラオオルリ、タイワンシジュカラ、タカサゴウソ、タカサゴマシコなど、例年80種類ほどの野鳥に出会っています。
【2019年実施の同ツアーの様子】 http://www.ybird.jp/nakano/index.cgi?mode=res_srh&pset=10&no=501_201910
【2018年実施の同ツアーの様子】 http://www.ybird.jp/nakano/index.cgi?mode=res_srh&no=475_201807 |
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