諏訪、塩尻峠地区には毎年オオマシコが越冬しにやって来ます。赤い鳥は年による渡来の変動が大きく、一昨年は4羽しか渡って来ませんでしたが、昨年は数十羽のオオマシコが渡来しました。塩尻峠の林道を歩くと法面がヤマハギだらけ。ヤマハギはオオマシコが最も好む木の実です。これだけのヤマハギがあるのだから来るわけだ、と誰もが感じます。他にイタドリも繁茂し、両種の木の実を食べています。オオマシコは警戒心が薄く、食べている場所さえ見つかれば近距離で見ることができるでしょう。問題はオスの成鳥、赤い個体がいるのかどうかです。オスが赤くなるのに3年から4年かかると言いますので数が少ないのは当たり前。昨年も十数羽の中に1羽しかいませんでした。さて今回は何羽のオスが入り込んでいるでしょうか、2羽3羽といることを願いましょう。 林の法面はヤマハギと言いましたが、林はアカマツ、カラマツを主体とした林です。松と言えばイスカ。そう、この峠にはイスカが生息し、しかも繁殖しています。イスカの繁殖は冬季、松の梢に止まりさえずる姿を見ることもあります。イスカのさえずりを聞いたことがあるという方は少ないと思いますので、この機会に是非聞いてみてください。彼らは繁殖時期でも群れで行動していることが多く、十数羽で飛び交うシーンや、松の実を食べるシーンも見ることができるでしょう。また、洞に溜まった水を飲むシーンも見られるかもしれません。これら2種の赤い鳥を、その姿が映える雪景色の中で是非見たいものです。この林では、その他にコガラ、アトリ、マヒワ、カシラダカ、時にミヤマホオジロが見られることもありますので期待しましょう。 さて諏訪と言えば諏訪湖を思い浮かべます。諏訪湖は御身渡で有名ですが、最近の暖冬傾向で氷が張ることが少なくなってきたことは残念です。湖にはカンムリカイツブリ、カワアイサ、ミコアイサが群れをなして泳いでいます。カンムリカイツブリは2,30羽の群れがいくつもあり、カワアイサは100羽を超す群れに出会うことも珍しくありません。しかもここのカワアイサは警戒心が薄い個体が多く、時に間近で見ることができます。本州で最も近くでカワアイサが見られる場所と言えるでしょう。更にミコアイサの数も多く50羽ほどの群れで見られ壮観です。 このツアーは諏訪湖の水鳥と、塩尻峠のオオマシコとイスカを目的に企画したツアーです。但し出発日順延のため、水鳥の数のピークがやや過ぎてしまった事は否めません。この時期、まだまだ朝夕の寒さは厳しく、しっかりした防寒着をご用意下さい。 バードガイド 中野泰敬
(出会いたい鳥たち) カンムリカイツブリ、ヨシガモ、ホオジロガモ、カワアイサ、ミコアイサ、アカゲラ、カケス、コガラ、エナガ、ルリビタキ、タヒバリ、アトリ、マヒワ、ベニマシコ、オオマシコ、イスカ、イカル、カシラダカ、ミヤマホオジロなど
【旅行日程】 <1日目>新宿駅西口08:00➡岡谷IC➡塩尻峠➡諏訪湖周辺➡上諏訪温泉(泊) <2日目>ホテル08:00➡塩尻峠➡諏訪湖周辺➡茅野市・三井の森周辺➡諏訪南IC➡18:00新宿 |
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