タイトルのFlashが埋め込まれています。
ツアー日誌トップ | 山本幸正の社長日誌 | HOME 
渡り鳥を求めて 春の粟島
西の島 春の渡り山口県見島
関西縦断! 冬鳥バードウオッチング
『ミヤコドリに会いたい!安濃川河口と五主海岸』
『往復フェリーで行く 冬の九州』
米子水鳥公園&斐伊川河口
オオワシを求めて!奥琵琶湖
『コウノトリと城崎温泉』
『晩秋の佐渡ヶ島!トキの故郷を訪ねて』
『日帰り感覚で行く!諫早干拓とシチメンソウ燃える有明海』
『コルリに会いたい!河口湖と奥庭』 (0)
『コマドリに会いたい!上高地・乗鞍ハイキング』 (0)
『初夏の戸隠高原ハイキング』 (0)
『オオセッカとコジュリンに会いたい!』 (0)
『夏鳥のコーラス 大台ヶ原ハイキング 』 (0)
『日本海の小さな宝島 見島B班』 (0)
『感動!ウトウの帰巣と渡りの小鳥たち・天売島』  (0)
『日本海の小さな宝島 見島A班』 (0)
『渡り鳥のメッカ対馬〜春鳥巡礼』 (0)
『夏鳥と冬鳥の交差点 飛島 A・B班』 (0)
2008 年 06 月 (8)
2008 年 05 月 (10)
2008 年 04 月 (7)
2008 年 03 月 (6)
2008 年 02 月 (6)
2008 年 01 月 (9)
2007 年 12 月 (4)
2007 年 11 月 (3)
2007 年 10 月 (7)
2007 年 09 月 (8)
山本幸正の社長日誌
<<  2019年07月  >>
-123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031---
管理用
『渡り鳥のメッカ対馬〜春鳥巡礼』
拡大 拡大 拡大

(写真 左から)ブッポウソウ、キマユホオジロ、ハシグロヒタキ 撮影:田中公夫様

【2008年5月7日(水)〜9日(金)】

 5月7日:日本海に浮かぶ島で春の渡り鳥を観察するのは「ある種」のバードウォッチャーにとって、毎年恒例の行事となっている。「ある種」のバードウォッチャーのはしくれである私も鳥を見始めて以来30年近く島に通い続けている。ここ数年は「鳥先案内人」として仕事で島に通っている訳だが、春の渡りには格別の思い入れがあり、心が弾む。

 日本では記録の少ない、いわゆる珍鳥と呼ばれる類の鳥が日本海の島々を数多く渡っているのが知られるようになったのはそう古い話ではない。おそらく一般のバードウォッチャーが島に通うようになったのは私が鳥を見始めた数年前のことだと思う。多くの先達が、渡りの経路について推測を立て、いるかどうかもわからない鳥を求めて島通いをして下さったお陰で、現在のようにゴールデンウィーク前後に島に渡ればかなりの確率で珍しい鳥を見ることができるということが分かってきた。対馬は舳倉島、飛島などと並び日本海の春を代表する渡りの中継地である。期待はいやがうえにも増してくる。天気予報ではしばらく好天が続くようだ。島の鳥見が普段と違うのは、天気が良い時には鳥が少ないということである。天気が崩れれば、鳥たちは島に降りて休息をとる為、島中に鳥があふれる。しかし、天気が良いとすぐに島から飛び出すか、島に立ち寄らずに通過してしまう。天気の良い時に島にいる鳥はカワラヒワとスズメとカラスだけ、先達はこれらの鳥の頭文字を並べて鳥のいない時に「気配カスカ」と言う言葉をよく使った。今回のツアー、天気予報からはどうも「気配カスカ」の雰囲気だ。

 対馬に到着したのは11時30分、島の北部に向けて早速バスを出発させる。最近は道が良くなってきて、以前に比べるとずいぶん早く移動できるようになった。途中トイレ休憩、水の買い出しなどをして最初の探鳥地である志多留には80分程で到着した。ミサゴ、キセキレイ、ホオジロなどは見られたが、これはという鳥には出会えず、仁多の内を通って佐護椋梨のバードウォッチング公園へ。コウライキジの♂♀が3羽ずつ見られ、やっと歓声が上がる。展望塔からは上空を飛ぶサシバや農耕地で採餌するミヤマガラスなどが見られた。湊浜、佐須奈、舟志と移動して宿入りする。この間見られたおもな鳥はアオジ、ウミネコ、キアシシギ、チュウサギ、ハチクマ、スズガモなど。対馬で見たい鳥にはほとんど出会えず、明日からに期待して早々に休む。

 5月8日:目覚めた時の鳥の声で一日の様子は窺える。今日も案内人には厳しい一日となりそうだ。朝食前に宿の周辺で早朝探鳥。ニュウナイスズメをゆっくり観察し、上空を飛ぶサンショウクイの声などを聞く。早く起きた方はアオバズクやカッコウの声を聞かれたとか。ハイタカ属やブッポウソウが飛ぶが、すぐに山陰に隠れ欲求不満気味。海に目を転じると遠くに浮かぶシロエリオオハムが見つかった。順調な出足とはいかないが、ボチボチと言ったところか。朝食後は昨日と逆に舟志から探鳥を開始する。相変わらず声は少ないが、枯れ木に止まるブッポウソウが見つかった。緑の体に赤い嘴、何度見ても美しい鳥だ。上空でハリオアマツバメ、サシバが飛び、ブッシュの中からはコヨシキリが疲れ気味の声を出す。山側ではシジュウカラ、ヤマガラ、遠くからはキビタキの声も聞こえている。気を良くして佐須奈へ。アマサギ、コサギ、チュウサギ、ダイサギ、アオサギなどサギ類の群れを見ている時に地元のS氏から携帯に着信。「内院でハシグロヒタキが出ました」ハシグロヒタキは日本でも数例しか記録のない鳥である。この状況下でのハシグロヒタキは最優先で見たいまさに今回の目玉となり得る鳥であることは間違いがない。しかし、ここで問題が一つ。現在我々がいる佐須奈は対馬北部であり、内院はかなり離れた対馬南部に当たる。これからまっすぐ行ったとしても3時間近くかかる。今日の宿は空港近くにとってあり、内院は明日行く予定の場所だが、今から南部に向かうと、もうこちらに帰って来る時間的な余裕はない。一部のお客様から希望が出ていたツシマヤマネコの見学も残っている。決断が求められるところだ。明日では遅いかもしれないが、見つかったのが今日ですぐには飛ばないだろうと判断した。佐護周辺をもう少し回ってからヤマネコのいる対馬野生生物保護センターへ向かう。

 保護センターで生態展示されているツシマヤマネコは、いわゆるネコエイズに感染している固体で野生復帰はできない。毎年見ているが、なんだかずいぶん年をとってきた印象である。来年も会えるのだろうか?保護センター前で昼食をとっていると、上空をハチクマが次々と通過していった。7羽ほどを見送って、内院へ向け急行する。2時間半後、内院に到着した。バスを降りて歩き始め、さてどこかと探しているとまたもやS氏から着信。「あなた方の目の前にいますよ」見ればレンズを構えたS氏のほか旧知のI氏の姿も。これほどの珍鳥をわずか3人で見ているという贅沢さ。我々もお相伴にあずかることにする。I氏が手振りで、彼らが見ている畑の対面へ回るようにと合図してくれている。畑の中に目指すハシグロヒタキがあっさりと見つかった。早速望遠鏡に入れ、皆さんに覗いていただく。夏羽のきれいな個体だ。ここまで期待したほどの鳥が見られず、疲れ気味だった方々の顔が一度に明るくなった。こういう顔を見せていただくのが案内人にとってのご褒美である。1時間強、たっぷりとハシグロヒタキを堪能し、浅藻、内山峠をまわって宿へ向かった。

 5月9日:昨日までの青空に代わって上空には雲が広がっている。下り坂のようだが、宿の周辺では相変わらず鳥の声は少ない。朝食前に周辺を探鳥したが、イソヒヨドリやアカハラなどが見られた程度であった。8時に宿を出発し、まず昨日のハシグロヒタキをもう一度見ようと内院へ向かう。ハシグロヒタキ出現の報に、さぞ大勢のバーダーが集まっているだろうと思ったが、あにはからんや止まっているのはI氏の車だけ。聞けば昨日の夕方に飛んでしまったとのこと。一晩はいるだろうと思って、ここへ来るのを遅らせていたらハシグロヒタキとの出会いは果たせなかった。渡りの鳥はこれだから油断がならない。ハシグロヒタキは抜けてしまったものの、昨夜のうちに対馬に到着したと思われる新しい鳥が出現した。タイワンハクセキレイ、ノジコ、キマユホオジロ、ツメナガセキレイなどである。やっと対馬らしい雰囲気になってきた。その後、浅藻、豆酘、鮎戻し公園と移動。クサシギ、クロサギ、オカヨシガモなどを見て昼食。空港へ戻る道は島の西側を通ることにする。椎根では古くから伝わる石屋根の倉を見て、最後の探鳥洲藻に向かう。上空をショウドウツバメが飛び、灌木の中でもう一度キマユホオジロを見ることができた。

 対馬のツアーに参加される方の多くはヤマショウビンなど特定の鳥を目当てにおいでになることが多い。目的の鳥が見られれば天国、見られなければ地獄というような状況は、「仮にヤマショウビンよりも珍しい鳥が見られたとしてもヤマショウビンが見られなければ意味がない」という雰囲気になりがちである。今年、ツアータイトルにわざわざ「巡礼」などと言う言葉を使ってみた。人間の価値観にかかわらず、鳥達は自らの命を削って渡りの旅を続けている。観察する側も厳粛な気持ちで彼らを迎え、どんな状況でどんな鳥が出てきてもあるがままの自然として受け入れ、楽しんでいただきたいという個人的な「想い」を込めてみたつもりである。

森山春樹
一般 | No.312 管理人 2008/05/07


Next > 『日本海の小さな宝島 見島A班』
Back < 『夏鳥と冬鳥の交差点 飛島 A・B班』

Y Bird All rights reserved.