タイトルのFlashが埋め込まれています。
ツアー日誌トップ | 山本幸正の社長日誌 | HOME 
渡り鳥を求めて 春の粟島
西の島 春の渡り山口県見島
関西縦断! 冬鳥バードウオッチング
『ミヤコドリに会いたい!安濃川河口と五主海岸』
『往復フェリーで行く 冬の九州』
米子水鳥公園&斐伊川河口
オオワシを求めて!奥琵琶湖
『コウノトリと城崎温泉』
『晩秋の佐渡ヶ島!トキの故郷を訪ねて』
『日帰り感覚で行く!諫早干拓とシチメンソウ燃える有明海』
西の島 春の渡り山口県見島 (0)
2015 年 05 月 (1)
2015 年 04 月 (1)
2015 年 02 月 (3)
2015 年 01 月 (2)
2014 年 12 月 (1)
2014 年 11 月 (1)
2014 年 10 月 (1)
2014 年 09 月 (2)
2014 年 08 月 (2)
2014 年 07 月 (2)
山本幸正の社長日誌
<<  2019年07月  >>
-123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031---
管理用
『のんびりとベトナム カッティン国立公園と高原都市ダラット』
拡大 拡大 拡大 拡大 拡大

(写真 左から)インドトサカゲリ、キタカササギサイチョウ、ズグロコウライウグイス、ベトナムカワラヒワ、ヤマザキヒタキ 撮影:生田潤一郎様

【2009年11月26日(木)〜12月1日(水)】

 第1日目(11/26): しばらく続いた寒気が緩み、穏やかな青空が広がった。この日私が住む大阪の最低気温は10.1度。これから向かうベトナムホーチミン・シティの最高気温は平均30度。時差こそマイナス2時間とあまり気にならないが、20度の温度差は寒さに向かって身体が慣れ始めたところなので結構きつい。

 昨年は関空出発便が大幅に遅れるアクシデントがあり、出だしから大変な目にあったが、今年は問題もなく定刻に出発。5時間ちょっとの空の旅を経て予定よりやや早めにホーチミン・シティ、タンソンニャット国際空港に到着した。ほどなく成田出発のお客様と合流し、そのまま市内の公園へ向かう。
 ベトナムという国は人家があるところに驚くほど鳥が少ない。町の中心街から郊外へ向かう明日からの行程でもバス車中からはほとんど鳥影を見ることがない。しかし、市内の公園は例外で、行けば何かしら鳥に出会うことができる。この日の宿に近いTao Dan公園で早速鳥見を開始する。ここで見ておきたいのは明日以降あまり見る機会が無くなるムネアカゴシキドリである。町中の公園とは言いながら樹木はいずれも見上げるほどの高さで声はすれども姿はなかなか見つからない。やっとベニバト、カノコバトを見つけ、その後ミミジロヒヨドリ、ヒイロサンショウクイ、ハイイロオウチュウなどと共にムネアカゴシキドリの姿も見る事が出来た。ただ、いずれも高いところにいて望遠鏡での見上げとなる。1時間少々鳥見をして宿へ向かう。

 第2日目(11/27): 夜の間に雨が降った。6時頃まで雨が残っていたが次第に止み、わずかながら青空も見え始めた。朝食前に宿の近くを歩いてみるとムネアカゴシキドリ、ミミジロヒヨドリと共にシロガシラムクドリ、オオハッカなどの姿を見ることができた。南国故色とりどりの花は咲いているのだが、花にやってくる鳥が市内には少ないようだ。
 8時にホテルを出発し、カッティンへ向けてバスに乗る。道はバイクであふれており、いずれもが若者であるのでとても活気がある。聞けばベトナムの平均寿命は70歳位だとのこと。ホーチミン・シティから1号線を東上し、サイゴン川やドンナイ川を渡る。川幅は広いが鳥影は全くない。途中トイレ休憩に立ち寄った場所付近からインドブッポウソウ、キバラタイヨウチョウ、メグロヒヨドリなどの姿が見られ始めた。高空を飛んでいるのはヤシアマツバメだろう。道は途中からダラットへ続く20号線へ入る。天然ゴムとカシューナッツの林が続く。次第に青空が広がってきた。
 カッティンまでもう一息という辺りでバスを止め周辺の河や農耕地を見てみる。すぐにヒメヤマセミが近くから飛び立った。河の崖地に巣を作っているようだ。合計5羽ほどが次々と現れてくれた。だが他の鳥はチャガシラハチクイくらいしかおらず、そのままカッティンへ向かう。
 ドンナイ川を渡し船(現地ではフェリーと呼んでいる)で渡り、カッティンに到着。昼食を挟んだ休憩中にセアカハナドリ、コウライウグイス、カザリオウチュウ、ハイイロオウチュウなどが見られたが、いずれも短時間でさっさと林の中に入ってしまう。愛想がよいのはキバラタイヨウチョウくらいだが、こちらは木から吊り下がった巣をアリに攻撃され♂と♀が右往左往している、ちょっと気の毒な状況であった。
 15時過ぎからジープ2台に分乗して公園の北西方向へ向かう。日中のことでやはり鳥影は少ない。途中枯れ木に止まるミカドバトやダルマインコが見られたが、これも遠い。鬱蒼とした樹林を過ぎて開けた場所でしばらく鳥を探す。カザリオウチュウやインドブッポウソウなどを見ている内に空模様がにわかに怪しくなってきた。スコールに備え、早めに宿舎へ引き返す。途中からバケツの底をひっくり返したように降り始めるが、激しさとは裏腹に奇妙に生暖かい雨だ。この日は全体的に鳥影が少なく物足りない一日であった。

 第3日目(11/28): 少し早めに朝食を摂り、東方向へとジープを走らせる。雨はすっかり上がったが、雨上がりにはヒルが多い。車を止めて探鳥し始めると途端に足下からヒルが這い上がってくるのには閉口する。鳥は昨日よりも随分と良く、アズキヒロハシ、カワリサンコウチョウ、クロカッコウハヤブサなどが次々と見られた。オナガサイホウチョウ、エボシヒヨドリ、キタカササギサイチョウなどを見ながらしばらく歩いた後、開けた場所に出た。休憩がてら見ているとコサメビタキ、ヒメコノハドリ、ホウアカコバシタイヨウチョウなどが入れ替わり立ち替わり現れる。シロボシオオゴシキドリやロクショウヒタキ、ハイビタイアオバトなども見られやっと「ゆっくり鳥を見た」という気分になる。一旦宿舎へ引き返し10時からは宿舎の周辺で鳥を探す。昼食までにズグロコウライウグイス、キマユムシクイ、キビタイコノハドリ、ミミアオゴシキドリ、クロラケットオナガ、ミナミカンムリワシなどが見られた。
 15時からは再びジープに乗り西方向へ。枯れ木に止まるハイイロモリツバメやハシブトアオバトのほかキタカササギサイチョウが良く飛んだ。草原ではクロノビタキ、インドトサカゲリ、インドブッポウソウ、ズアカミユビゲラなどのほか日本のものとは随分違うイノシシの親子にも会うことができた。夕食後のナイトウォッチングで期待したヨタカ類が出なかったのは誤算だったが、後日の集計では今回のツアーで一日辺りの確認種が最も多い日となった。

 第4日目(11/29): 今日も朝から穏やかに晴れている。早朝からブッポウソウ、コウライウグイス、クロエリヒタキ、カザリオウチュウなどが見られた。ゆっくり目の朝食の後、ダラットに向け移動しなければならない。8時に宿舎出発。フェリーでドンナイ川を渡った後周辺の農耕地でバスを止めながら探鳥する。アマサギ、チュウサギ、アカガシラサギなどのシラサギ類の他、ミドリハチクイ、ノビタキ、コシジロキンパラ、オウチュウ、マミハウチワドリ、バンケン、アオショウビン、マミジロタヒバリ、アカモズなどを見る。農耕地の開けた環境なので遠くても見つけやすいが、全体的に鳥が遠い印象は否めない。
 昼食のレストランでキマユムシクイ、セアカハナドリ、ベニバトなどを見た後、昨年クロノビタキを見た農耕地へ。時間的には昨年とさほど違わないのだが鳥影が随分少なくクビワムクドリ、インドブッポウソウが遠くにいる程度で暑さばかりが身に染みる。早々にバスに戻り、後はひたすらダラットを目指して移動を続ける。
 バオロクという町を過ぎた辺りから標高も上がり、これまでとは違った風景が広がり始める。この辺りはお茶やコーヒー、高原野菜の産地として有名なところだ。途中の休憩場所ではお茶やコーヒーを無料で試飲させてくれる。喫茶店風の店で椅子に座るとお茶やコーヒーが運ばれてくる。「気に入ったらお土産用に買って下さい」というシステムである。ベトナム土産と言ってもなかなか気の利いたものがないが、この辺りのお茶はお勧めできる。
 夕闇が迫る16時30分にダラット市内まで10〜15分のダータンラー滝公園へ到着。時間はあまり無いが、明日からに備えて少し覗いておくことにする。谷を見通す高台から辺りを見ていると遊歩道をピョンピョンと歩いているオオルリチョウが見つかった。ハト大の大きさで身体が瑠璃色、嘴が黄色と見ごたえがある。シマキンパラ、カノコバト、ハイイロオウチュウ、ハイガシラモズ、ロクショウヒタキなどもこれまでよりは近い距離で見られ、移動で疲れた気分が一度に晴れる。明日からに期待しながらダラットのホテルへ。

 第5日目(11/30): カッティンの宿舎はベッドで水洗トイレ、クーラーまで付いているのだが、僻地であることやサービス面での配慮などが都会に較べると物足りない。「カッティンでは山小屋に泊まっているつもりでいて下さい」と初めに皆様にはお断りしておいた。私などは、たまに味わうこの不自由さがかえって楽しいと感じられるのだが、便利さ、快適さに慣れた現代の日本人にはやや辛く感じる人もあるようだ。山小屋生活を楽しめるかどうかは、その人の性格もあるだろうが、年齢や体力とも関係があるかも知れない。しかし、ここダラットは「ベトナムの軽井沢」と呼ばれる土地で、観光地としても名高くホテルの設備も昨日までとは比較にならない。朝目覚めた皆さんの顔を拝見していると、嫌でも現代の快適さがもたらす恩恵を感じずに入られない。何にしても皆さんの機嫌が良いのは私にとっても有り難い。こんな日はきっと良いことがあるに違いない。ホテルの周辺でクビワムクドリ、シロガシラムクドリ、スズメ、アカガシラサギ、キセキレイ、コウラウンなどを見る。バイキング形式の朝食でお腹を満たし、これから向かうのはランビアン山(標高2,163m)だ。
 バスで中腹まで上がり、そこからはジープに乗り換えて山頂付近を目指す。「ゆっくり写真を撮りたい」と申し出のあったお二人を中腹に残し、残りの人達はジープに乗り込む。約10分で山上へ。この場所に来るのは5年ぶりとなる。昨年からダラットでの滞在日数をこれまでより1日のばし「ゆったり」とタイトルに付けたのだが、昨年は大雨にたたられてここまで来ることができなかった。久しぶりに来た山上はすっかり様子が変わっていた。以前はずっと林が続いていて眺望が利かなかったのだが、山上付近が広く整地され周辺の景色もよく見える。レストラン風の建物まで出来ていた。こう書くと、この様変わりが悪いように感じられるが、適度に視界が開けたことによって鳥が見やすくなった。最初に見つけた小鳥が何とヤマザキヒタキ。少なくとも2羽はいるようで、少しも人を恐れない。ゆっくりと見た後でデジスコにも挑戦したが、近すぎてピントが合いにくい程だ。「日本だったら大騒ぎになるね」などと言いながら心ゆくまで堪能する。種類としては多くないものの、日本のカケスとは顔つきの違うカケスやベトナムカワラヒワ、カオジロヒヨドリ、ムネアカタヒバリなどをゆっくりと楽しむことが出来た。中腹まで降りて残った二人に様子を聞くとあまりパッとした成果が得られなかったとのこと。まだ時間があるので山上へ行ってみることを奨める。残った人達は「うまく見られると良いね」と雲のかかり始めた山上を見上げながら二人の幸運を祈る。11:30に戻ってきた二人の首尾を聞くと、ベトナムカワラヒワはよく見られたがヤマザキヒタキは×。こうもはっきりと明暗が分かれてしまうと、市内に戻っての昼食も何となく気の重いものになってしまう。
 午後からは昨日下見をしておいたダータンラーの滝公園へ。昼過ぎで鳥の動きは鈍いと思われたが、タイミング良く小規模の「ウェーブ」に行き当たり、オオアオヒタキ、クリガシラモリムシクイ、ルリオタイヨウチョウ、オジロムシクイ、ハイガシラヒタキ、ムナフハナドリ、オニクロバンケンモドキ、オオルリチョウ、ヒメカザリオウチュウ等を次々と観察することが出来た。1種当たりの個体数は1羽〜数羽と少ないのだが、違う種類の鳥が色々と見られて楽しい。日本で見られるカラ類の混群がもう少し多種類で出てくると言えば「ウェーブ」がどんなものか想像頂けると思う。
 さて、「見る人達」はかなり満足することが出来たが、ヤマザキヒタキを外してしまったお二人はどうも寂しそうである。まだ時間もあることなので、場所を変えて以前ヤマザキヒタキを見たことがあるフォーチュン・ラム湖周辺を探してみることにしたが、全体に鳥影は薄い。鳥を探しながらダム湖の回りをバスで移動する。以前見た場所に差し掛かったが、今日は人が入りなにやら火を燃やしている。これではどうしようもない。そのまま通り過ぎてさらに探していると、低木の梢越しに鳥影が動くのが見えた。「ストップ、ストップ、ストップ!」なかなか止まってくれないバスに口調が苛立っているのが自分でも判る。やっと止まったバスの窓越しに、居た!ヤマザキヒタキ♂だ。山上で見た様子ではこの鳥はあまり警戒心が強くない。車外に出ても大丈夫だろう。車内から何枚か撮って貰って、車外に降りて撮影することを奨める。子供のように大喜びで撮影している二人を他の人達もニコニコしながら眺めている。これでやっと心置きなくヤマザキヒタキを見た喜びを表に出すことが出来る。夕食が大いに盛り上がったのは言うまでもない。

 第6日目(12/1) :帰国するのは明日の朝だが、ベトナムで鳥を見られるのは今日で最後だ。今日は昨日ヤマザキヒタキを見たフォーチュン・ラム湖をボートで渡り、対岸の林で鳥見をする。8時にホテルを出発し、8時半にはボートに乗っていた。ダムによって堰き止められた人造湖なので水深が深く、水面に鳥影はほとんど無い。カイツブリがポツポツと見られる程度だ。30分程で着岸し、周りを見渡す。アオショウビン、カケス、コウライウグイス、ハイイロオウチュウなどが見られた。林の小道を歩くとオジロビタキ、ムギマキ、ハイガシラモズ、ミナミゴジュウカラなども現れ、結構楽しい。ヒイロサンショウクイが♂♀で現れ、南国の雰囲気を盛り上げてくれる。遠くで鳴いているのはゴシキドリだろう。ハイガシラコゲラの声も聞こえる。ここに来てやっとツアータイトル通り「のんびり」とベトナムを楽しむことが出来た気分になり、ゆったりとコーヒーなどを喫する。
 11時半からは、昨日と同様湖のまわりをバスで回ってみたがヤマザキヒタキは見つからなかった。昨日の出来事が夢の中のことのように感じられる。バスの前を一瞬ミナミツミが飛び、クロヒヨドリが2羽で飛んでいくのを見て市内へ昼食に戻る。
 ダラットの飛行場に行くまでの時間はダータンラーの滝公園で過ごすことにした。クロヒヨドリ、コウライウグイス、ハイガシラモズ、ロクショウヒタキと新しい鳥は出てこないがおさらいをするようにここ数日で馴染みになった鳥たちが目の前に現れる。そろそろ切り上げようという時、少し離れた梢に1羽のヤマザキヒタキ♂が現れて、帰ろうとする我々を眺めていた。

 ベトナムの鳥はバードガイド泣かせである。昨年良かった場所に行っても今年も良いとは限らない。留鳥だからいつでも見られるだろうと「この鳥が見たい」と狙いを絞って出かけても肩透かしを食らう。おそらく非常に広い範囲を魚が回遊するのと同じように様々な鳥が移動していて、我々はタイミングが良ければそれらの鳥に出会える、と言うことなのだろう。今回よく見られた鳥が来年の目玉になり得ないのが辛いところだ。逆に言えば、絶海の孤島で渡りの鳥に会うくらいのつもりで出かけるのが良いと思われる。年によって種類は異なるものの、何かしら楽しい鳥には必ず出会えるのだから。

森山春樹
一般 | No.440 管理人 2009/11/26


Next > 『ハクガンを求めて!朝日池と福島潟・瓢湖』
Back < 『那須野が原公園と千本松・赤田調整池』

Y Bird All rights reserved.