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『東京〜八丈島航路 海鳥ウォッチング』
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(写真上段)アホウドリ
(写真下段左から)クロアシアホウドリ、ハシボソミズナギドリ、オオミズナギドリ、トウゾクカモメ 撮影:戸嶋涼子様

【2012年4月18日(水)〜4月19日(木)】

 「大洗〜苫小牧航路」「名古屋〜仙台航路」に並んで新たな航路探鳥シリーズが登場。今回乗船するのは東京〜八丈島を結ぶ東海汽船「かめりあ丸」。三宅島に探鳥に行ったことがある方は何度となく乗船経験があるでしょうし、私も何度となく乗船しています。もう一隻の「さるびあ丸」も含めていえることですが、観察するデッキの形状が海鳥観察に適しているため、なんとかツアーを企画できないかと思いつき、データ収集して最も良いと思われる時期を探していました。前回乗船した「いしかり」の4分の1にも満たない大きさの定期船での観察スタートです。

 18日、集合時間の21:00には皆さん竹芝桟橋待合室にご集合いただきました。このツアーを思いついたもう一つの理由として、従来の航路ツアーは集合場所が東京からかなり遠いということがあり、なんとか東京から出発できる航路ツアーができないかという考えがありました。東京から僅かな時間で集合場所に来られるということには新鮮さがありました。この後は約30分ほどの海鳥解説を行い22:05から乗船開始。乗船後は22:30にCデッキ案内所前にご集合いただき翌日の観察場所を決めて解散としました。
 19日、早朝05:00に三宅島着岸のアナウンスで目を覚まします。日の出の時間とほぼ同じ時間にアナウンスが入ることから、ちょうど目覚まし時計のようで都合がいいのです。デッキに上がるとどんよりとした曇り空の下、まだまだ薄暗い海上をオオミズナギドリが飛んでいます。三宅島出航後はこのツアーの目玉の一つであるオオミズナギドリの大群をしばらく観察します。ミズナギドリ類の基本種であるオオミズナギドリは観察機会は多いものの、これだけの数が観察できるのもこの航路だからこそ。よく見ると僅かにハシボソミズナギドリも混じり、カンムリウミスズメが水面スレスレを飛んでいます。御蔵島着岸の頃にはウミネコ、ミサゴが観察でき、次第に晴れ間も見えてきます。そして御蔵島出航後の06:47にようやく美しいアホウドリ成鳥がユラユラと舞いながら、我々の前を通り過ぎて行きます。その後は07:00頃からハイイロヒレアシシギの小群が目立ち、07:50には長い尾をなびかせながらシロハラトウゾクカモメの夏羽が舞い、08:00にはオーストンウミツバメ、08:15にはトウゾクカモメが観察できるなど、デッキ上は何かと忙しい時間を過ごしながら09:20に八丈島底土港に着岸。往復乗船ではありますが、一旦下船して待合室に入ります。この間にも周辺を散策されていたお客様がウグイス、シジュウカラ、イソヒヨドリを観察されたようでした。
 やや暑さのある八丈島で過ごしたのは僅か30分ほどで、09:45には再びご集合いただき乗船、10:00には再び御蔵島を目差して「かめりあ丸」は出航したのでした。出航後はやや鳥の少ない時間を過ごしましたが11:03には後方から接近してきたトウゾクカモメが船体脇を低く飛んで行きます。トウゾクカモメにしてもシロハラトウゾクカモメにしても、すっかり夏羽となっており独特の尾羽をしっかり見ることができました。11:20を過ぎると再びオオミズナギドリ、ハシボソミズナギドリの群れが現れ、11:50にはコアホウドリが優雅に通過し12:30にはクロアシアホウドリが2個体観察できました。御蔵島に近づく頃には空模様が怪しくなり、御蔵島接岸時はスコールのような激しい雨が叩きつけてきます。そして御蔵島を出航後の13:30に3羽のアホウドリ類が出現し、そのうちの1羽がアホウドリ亜成鳥でした。この個体は美しいピンク色の嘴を見せながら風に乗るように我々の前を通過しました。他の1羽はクロアシアホウドリ、もう1羽は確認できませんでした。14:10の三宅島着岸の頃からはやや風が強まってきます。出航後は海面スレスレを飛ぶカンムリウミスズメが見られ、強風の中、いつの間にか船体周辺はオオミズナギドリ、ハシボソミズナギドリに取り囲まれます。15:45には着水しているアホウドリ亜成鳥が船の接近に伴い飛び立ち、16:10にはアホウドリ成鳥が着水状態で見られ、16:30にもアホウドリ成鳥が船体脇を飛んでいったのでした。この後は強風の中、海上の波間に吹きあがる風を利用してスイスイと飛ぶハシボソミズナギドリの群れをしばらく眺めながら過ごしました。想像を絶する距離を渡る彼らが、ほとんど羽ばたきもせずに省エネルギーで長い距離を飛べるメカニズムがよく分かるシーンを見ることができたのも貴重でした。また、狙っていたアホウドリはほぼ1日だけの探鳥で5度出現と高確率でした。それから夏羽のトウゾクカモメ、シロハラトウゾクカモメが観察できることもこの航路の今後の目玉となることは間違いないでしょう。
初企画の「東京〜八丈島航路」は大成功に終わりました。東京集合・解散でほぼ1日という航路探鳥としてはそれほど長くない探鳥で、思った以上の成果がありました。今後も企画してまいりますのでよろしくお願いいたします。この度はお疲れ様でした。  

石田光史
一般 | No.641 管理人 2012/04/18


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