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第六十回 恒例のシマエナガツアー (2月2日)
 1月下旬は、恒例のシマフクロウとシマエナガを撮影しようというツアーが組まれた。かわいいシマエナガの写真集が発売されてからシマエナガの人気が高まり、ツアーも毎年出さしてもらっている。北海道のエナガは、本州のエナガとは亜種が異なり顔が真っ白。その可愛らしさから、以前から北海道のツアーを行うとシマエナガを見たいという方は多かった。しかし北海道の林は広大で、エナガも行動範囲が広いらしく、本州のように簡単に出合うことができずにいたが、庭の餌台にシマエナガがやって来るというお宿が見つかりツアーを行うこととなったのである。今回も6羽ほどの群れが頻繁にやって来て、思う存分撮影させてもらった。
 さて、初日はシマフクロウである。夕方、宿の到着し早々に夕ご飯を食べた。ペアーが代替わりしてから出現する時間帯がまちまちになり、夜中から明け方はよく出現するという話であったが、最近は7時ごろにもよく出ているということで、外が暗くなる6時からシマフクロウの出現を待つことにした。しかし、待てど暮らせど一向に出現する気配がない。結局出現したのは夜中の2時過ぎになり、今回も徹夜ということになってしまった。だが、この出現が遅かったのが幸いしたのか、いきなり2羽でやって来て、求愛給餌を2回も行ってくれた。待った甲斐があったと、疲れた表情であったが皆さん喜んでいた。
 翌日は峠を越えオホーツク海側へ抜け、更にもう一度峠を越えシマエナガの宿へというコースであったが、ちょうど低気圧が北海道に近づき風雪が強まる。特にオホーツクは!という予報が出てため、急きょコースを変更し、峠を越えなくてすむ鶴居村へ行くことにした。途中港でシノリガモやクロガモなどの海のカモたちを撮影。更に2か所でフクロウを。雪が降っていたためきれいな風景での撮影ができた。その後タンチョウを撮影し、夕方シマエナガの宿へ到着した。到着するなり宿のご主人が‘もう一度シマエナガが来るから部屋に入る前に撮影しなさい’との声がかかり、急いで準備をして外で待つと、直ぐにシマエナガがやって来た。
 今年の北海道も暖かく、昨年までの冷え込みは感じなかった。宿についた時、地面には数十センチの雪が積もっていたが、昨日までは雪がなかったという。この雪は夕べ降った雪なんだよ!とご主人。訪れたタイミングが本当に良かった。翌日も時折細かい雪が降り、きれいな写真を撮ることができた。餌台にはシマエナガの他にシジュウカラ、ハシブトガラ、ゴジュウカラ、コゲラ。アカゲラは5羽来ていただろうか。警戒心の薄いシメもいたり、今年はオオアカゲラも餌台に来ていて、毎年顔ぶれが少しずつ違っていることに喜んだのは私だけだったかもしれない。
 宿に2泊し、しっかりシマエナガを撮影できた方と、最終日に屈斜路湖へ出向いてみた。冬は全面結氷する湖だが、今年はまだ半分しか凍ってなかった。その凍った半分の方でオオハクチョウの撮影に取り組んだ。ちょうど撮影する時、ハクチョウの塒になっている場所にカヌーが出現し、ハクチョウが次々に我々の方に飛んで来た。屈斜路湖は、背景に人工物がなく撮影する者にとってはありがたい湖だ。美しい絵が撮影できたことだろう。
 今年は異常すぎるほどの暖冬だったが、これからもこの異常気象は続くことだろう。気象によって鳥たちの動向がどう変化していくのか予想もつかないが、来年もかわいい姿を見せてほしいものである。

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.轡泪侫ロウ。オスが捕まえた魚をもらおうとメスが近づいていく
∨務て擦療澆旅舛任魯轡離螢モは常連さん
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T佑瞭兇乃戮爛侫ロウ。やっと雪景色で撮影できた
そ匹留詑罅アカゲラは5羽来ており、目にしていない時間帯はない
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シ找心の強いシメだが、今年は警戒心が薄いシメがいた
Εオアカゲラも来ていたが、残念ながらオスは来ていなかった
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Д魯轡屮肇ラ。時折雪が舞い、冬らしい写真が撮影できた
┷Gも、何回もやって来てかわいい姿を見せてくれたシマエナガ
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牛脂がこぼれ、地上に下りて来たシマエナガ
屈斜路湖のハクチョウは、いつも美しい

日記   2020/03/30(Mon) 11:49:22

第五十九回 雪がなかった佐渡島 (1月27日)
 台湾から戻り、次に訪れた場所は佐渡島だ。一昨年、トキを見よう!と企画したツアー。最初に訪れたのがトキの森公園。その園内にあるトキ展示資料館で、先ずはトキという鳥についての勉強をした。展示物をいろいろ見ていると、トキのカレンダーが目に入った。めくってみて、皆が感激したのが雪景色の中にたたずむトキの写真。とてもきれいで ‘こんな写真を撮りたいね’という言葉が口からもれていた。そこで、冬に来てみましょう!ということで企画したのがこのツアーだった。なんとタイトルが‘雪景色でトキを撮る’だったのだが、この暖冬で、佐渡には雪が全くなく、かろうじて山がうっすらと白くなっていただけで、思惑は見事に外れてしまった。初日、新潟市内に泊まったのだが、バスの運転手は、1月になっても積雪の記録がないのは初めての経験だ!と言っていた。この冬は本当に異常な気象だった。
 さて、初日は新潟市内での撮影。例年ならばこの時期は雪のはずだが天候は小雨。バスを走らせているとホバリングするチョウゲンボウが目に入った。バスの窓を開け、車内から撮影。今回のツアーの最初のショットとなった。福島潟でも雨は止まず、観察者から観察していたが、暖冬の影響かカモが少ない。時折コガモが飛び、マガモが飛ぶ。雨のせいか猛禽類も飛ばない。暫くすると50羽ほどの群れが飛んで来た。タゲリである。雨がまだ降っていたが、外に飛び出し夢中でシャッターを押す。天気が悪くてもタゲリの白と黒のコントラストは美しい。福島潟の次に訪れたのが白鳥の湖として有名な瓢湖。ハクチョウは昼間、田んぼへ出かけて瓢湖にはほとんどいない。代わりにたくさんいるのがカモたちだ。ちょうど餌やりの時間と合い、餌を奪い合うカモたちの姿は凄まじかった。嬉しかったのは、カモの群れの中にコスズガモ、アメリカヒドリと言った珍しいカモがいたことだ。また人気の高いヨシガモが近くにいたのも嬉しかった。
 初日は新潟市の潟湖で楽しみ、2日目はいよいよトキの棲む佐渡島へ。残念ながら雪はなかったが、何度も何度も、そして、いろいろなシーンのトキの姿を見てきた。1月はそろそろ繁殖へと向かう時期に当たる。繁殖期が近づくとトキは、自らが出す黒い粉状のものを塗り首回りが黒くなってくる。これを繁殖羽と呼んでいるが、この姿のトキを見る前は、全身朱鷺色のトキが美しいと思っていたのだが、この繁殖羽も捨てたものではない。朱鷺色のトキが普段着とすれば、繁殖羽は正装しているように感じられる。何ともいい味を出しているのだ。1羽でのんびり餌を取っているトキ、ペアーで仲良く食事中のトキ、群れで水場に来て水浴びをするトキ、などなどたくさんのトキに出合うことができた。佐渡のツアーで楽しい一時がある。それはトキに携わっている地元の獣医の方のお話を聞く時間帯だ。実際にトキを触ったり、解剖したりしないと聞けない話ばかりで、とても興味深くお話を聞くことができる。繁殖羽のトキについてのお話もあった。ペアーや群れを見ていると、首周りの黒さに個人差がある。その理由を尋ねたら、かなり黒くなっている個体は暇なのだという。暇なのでやることがなく、お化粧ばかりしているとか。女性も同じでしょ!の一言に笑い声が響く。佐渡を訪れる度にお越しいただきお話を聞いている。是非一度、トキを見るとともにお話を聞いてもらいたい。
 今回は、雪景色で撮影することはかなわなかったが、繁殖羽の美しいトキを見て、必ずや雪景色で撮影するぞ!という気持ちが強くなった。来年こそは!

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.曠丱螢鵐阿垢襯船腑Ε殴鵐椒Δ鬟丱垢涼罎らパシャ
∧‥膤磴隆兒ー砲料阿鯣瑤屮泪モ
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F輿拡瑤鵑罵茲織織殴蠅侶欧
け造了間に集結する瓢湖のカモたち
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ゥモの群れの中にコスズガモを発見
Ε茱轡モも近くで見られてうれしかった
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繁殖羽のトキ。何とも言われぬ美しさがある
┘撻◆爾膿事中のトキ。どちらがオスかメスか、外観ではわからないという
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群れで水場にやって来た
雪景色の山を背景に。冬らしいカットはこれだけだった


日記   2020/03/23(Mon) 11:45:37

第五十八回 2020年 最初のツアー (1月23日)
 年が明け、2020年最初のツアーとなったのは、国内は野辺山高原でのツアー、そして海外は台湾のツアーである。先ずは野辺山高原のツアー。野辺山高原は標高1500mに位置し、冬の寒さは北海道に匹敵する。−20度を下回る日もあるくらいだ。そんな高原に、冬になると留鳥として棲むフクロウが夕方早くから出現し、朝は遅くまで活動するので、夜行性のフクロウが暗くなる前、明るくなってからでも見られるのである。更に冬なので、雪が積もっている中で見ることができ、それが何とも言えぬ幻想的な風景をかもし出すのである。このツアー、以前は12月に行っていたのが、ここ数年の暖冬傾向で雪がなく、昨年から時期を少しずらして1月に行うことにした。それでも雪が降らず、何と今年は雨が降るありさまで、野辺山とは思えぬ暖かな中でのツアーとなってしまった。更にこの冬は小鳥も少なく、また2日目に訪れた佐久の調整池のカモも少なく、胃が痛むようなツアーとなってしまい‘何とかフクロウだけはと’と願う2日間を過ごすことになった。1日目は遠くを飛んだような気がするほどの一瞬の出来事で終わってしまい、静かな夕食を迎えたが、2日目の夕方、ようやくしっかりとフクロウの姿を見ることができた。かなり早い時間から出現してくれたので、止まっているところ、飛んだところなど長い時間フクロウを見ることができ、帰りのバスの中も和やかな雰囲気になってくれ、気持ちがホッとした。
 今年初めての海外となった台湾は、野辺山とは逆に毎日が興奮の連続。夕食時はおしゃべりも弾み‘あー、ツアーはこうでありたい!’と、台湾の野鳥たちに感謝した。1月から2月、台湾の山地ではカンヒザクラが咲き、その花の蜜を吸いにたくさんのカンムリチメドリがやって来る。そのカンムリチメドリに混じりアオチメドリ、ベニサンショウクイ、クロヒヨドリ、また花びらを食べにヤマガラとタイワンシジュウカラも混じってくる。彼らは人間を無視し、花から花へと忙しく動き回り目の前にまでやってくる。その仕草は楽しく、中でも固有種のタイワンシジュウカラは、この時期でないとしっかり見ることができないと言っても過言ではなく、台湾のバーダーたちもたくさん訪れていた。
 冬の山地ではヒカンザクラの他に、木の実に集まる鳥たちも狙いの一つになっている。ゴシキドリ、ミミジロチメドリ、カンムリチメドリ、チャバラオオルリなどがやって来る。そして、やはりこの時期を逃すとほとんど見ることができないタイワンツグミが最大の狙いとなるが、過去3回出合うことができず、難しい鳥なんだと感じていたが、ようやく今回、メスではあったがようやく出合うことができ感激した。次回は必ずやオスに出合いたいものである。ヒカンザクラがなく、木の実もない標高2500m地点にも出かけて見た。台湾の鳥たちは標高差で棲み分けをしているため、標高が異なれば違った野鳥に出合うことができる。今回は天気も良くズアカエナガ、キンバネホイビイ、アリサンチメドリと次々に姿を現してくれ、固有種のニイタカキクイタダキが頻繁に姿を現してくれたのはうれしかった。
 さて、山地でバードウォッチングが終わり、次は干潟を巡ってみるとムラサキサギやアオサギなどのサギ類、移入種のアフリカクロトキ、そしてクロツラヘラサギなどが迎えてくれた。しかし、ここでの最大の目的はソリハシセイタカシギである。台湾には数百羽が越冬しており、群れている様子を見たいのである。が、なかなか現れてくれない。しばらくバスを走らせていると白い群れを発見。いたいた!少し遠かったが100羽ほどの群れがいた。みんな、夢中でカメラに収める。数羽が餌を食べながらこちらに向かってきたが、まだ遠い。もう少し来い!と願ったが、それまでであった。干潟ではもう一種類、オニアジサシも狙いの一つだ。昨年は目の前を飛行してくれたのだが、今年は姿がない。現地のガイドの方が向こうの干潟へ行ってみましょうと提案してくれ行ってみることに。バスを走らせると、干潟に白い塊が。いたいた!オニアジサシである。しかし反対車線側の干潟。Uターンするためには数キロバスを走らせなければならず、運転手にお願いをし、数キロ先をUターンした。このUターンがまさに天の助け。Uターン場所に小さな貯水池があり、その貯水池に中に50羽ほどのソリハシセイタカシギがいたのである。皆、バスを降り撮影モードに。いきなり群れが飛び出したと思ったら右に左に、我々の目の前を行ったり来たりするではないか。突然の出来事に声も出ず、皆の興奮は最高潮達した。その後は目的であったオニアジサシを見に行ったが、ソリハシセイタカシギの興奮が冷めないままのオニアジサシ観察であったため、皆の心に残ったかどうかは定かでない。
 最終日はハチクマ観察。台湾でのハチクマは留鳥の位置づけ。渡りをするハチクマもいれば、居残る個体もいるという訳だ。冬のハチクマは、養蜂場で余った蜂の巣を食べにやって来る。いわゆる餌付けが行われているのである。その場所に伺った我々は、設置してあるテントに隠れ、ハチクマが来るのを待つ。暫くすると1羽、また1羽とやって来る。初めは辺りを警戒するが、食べ始めると夢中になる。こちらも撮影に夢中になる。気が付くと7羽ものハチクマがいることに気が付き驚いた。3時間ほどの観察だったが、楽しさと驚きであっという間に時間が過ぎて行った。テントから出て、上空を見上げると10羽以上のハチクマが舞っていた。次は私の番だとでも思って舞っていたのだろうか。
 日本では鳥が少ないと言われているが、台湾は鳥が多く本当に楽しいバードウォッチングができる。何でこんなにも違うのだろう?と首をかしげながら日本に戻ってきた。

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〔世襪いΔ舛ら見られる野辺山のフクロウ
▲ンムリチメドリに混じってやって来たベニサンショウクイ
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カンヒザクラの花びらを食べるタイワンシジュウカラ
ぬ擇亮造鮨べるゴシキドリ
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タ羽の群れでやって来るミミジロチメドリ
Δ笋辰判亶腓┐織織ぅ錺鵐張哀
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標高の高いところに棲むアリサンチメドリ
頻繁に現れてくれたニイタカキクイタダキ
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ソリハシセイタカシギ。突然の舞いに、皆大興奮
嬉しいはずのオニアジサシの出合いが・・・
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餌場に現れたハチクマ。距離が近いのにはびっくり!
上空では10羽ほどのハチクマが舞っていた

日記   2020/03/13(Fri) 09:35:56

第五十七回 2019年 最後のツアー (12月29日)
 2019年最後のツアーとなったのが長崎に入り、鹿児島から帰る九州縦断ツアーだ。このツアーは干潟、干拓地、河川、池、そしてツルが越冬する農耕地と、さまざまな環境を巡るツアーで、毎年100種類もの野鳥が確認されている。今年も小鳥が少ないと言われながらも104種類の野鳥を見ることができた。さすが冬の九州である。
 先ずは長崎に入り、諫早の干拓地へとおもむいた。畑にはマナヅルが餌を取り、タゲリが舞う。チョウゲンボウはホバリングをしネズミを狙っている。駐車場に着き堤防に上がると、コミミズクがヒラヒラト舞い出迎えてくれた。直ぐに畑の畦に身を隠してしまったが、望遠鏡で何とか顔は確認できだ。干拓地は広大なアシ原が眼前に広がり、その向こうに海がかすかに見える。アシ原の上空をハイイロチュウヒのメスが舞う。すると、誰かのオスだ!という声が響いた。メスより遠方に灰色のオスが舞う。今にも雨が降るような天候であったが、明るいうちに見えるハイイロチュウヒのオスはとてもきれいだ。遠くの木にノスリとオオタカの姿もあり、アシ原の自然度の高さがよくわかる。この冬はタカサゴモズが来ているとの情報があったが、残念ながら確認できずホテルへと向かうことにした。途中、昨年ナベコウが見られた場所でバスを止めていただき確認。すると電信柱の上に黒い物体がいるではないか。皆さんに‘ナベコウがいますよ!’と、バスから降りてもらい望遠鏡で確認。せっかくだからと少しずつ近寄るも、ナベコウは全く気にすることもなく佇んでいた。結局20メートルほどの距離まで近寄ることができ、興奮しながらホテルへと向かうことになった。
 翌日は、佐賀の東与賀の干潟へ。相変わらずシギやチドリ、ズグロカモメ、ツクシガモなど物凄い数の鳥たちで賑わっていた。この冬はソリハシセイタカシギがいるとのことで、さっそく干潟を右から左へと舐めるように探す。白い体に黒いラインという特徴なる姿はすぐに見つけることができ、昨日に続き興奮が襲ってきた。この冬の東与賀の干潟にはコオバシギ、オグロシギ、ホウロクシギ、オオハシシギと一風変わったシギがずいぶんと越冬していたことに驚いた。午後は雨模様になり、ホシムクドリが何とか見られただけで終わってしまった。
 3日目の午前中は球磨川上流の散策だ。コサギの大きな群れがカワウと一緒に佇んでいる。こんな大きな群れは関東ではめったに見られない。そんな光景を見ていると左から‘キャラッ、キャラッ’と、狙っていたヤマセミの声。その声がだんだん近づき目の前を通り過ぎて行った。そしてそれほど遠い距離でない川の中の大きな岩へ止まってくれた。このヤマセミを見たさにツアーに参加したという方もおられ、3日連続の興奮が押し寄せてきた。ヤマセミは一度止まると長居してくれるのがうれしい。30分くらい見ていただろう。その後は球磨川の河口に立ち寄り、そしてツルが集う出水へと向かった。
 出水平野に着きツルの多さに圧倒。この冬は1万5千羽を超えるツルが越冬していると数字が出ていた。さてこの中からクロヅル、カナダヅルを探さなくてはならない。そして今シーズンは珍しくアネハヅルが渡来している。出水では13季ぶりだという。クロヅルとカナダヅルはすぐに見つかった。しかしアネハヅルは見つからず、明日に持ち越しとなった。翌早朝、西干拓で寝ていたツルたちが東干拓に出勤する。我々は東干拓でツルたちの到来を待ち受ける。次から次とやってくるツルの群れに言葉が出ない。ツルよりも高いところをはばたきが早い鳥が舞う。オナガガモの群れだ。その数も尋常ではない。そんな光景を見ているうちに東の山からお日様が顔を覗かし始めた。タイミングよく剥がし干拓に出勤していたツルたちが西へ帰って行く。その光景は美しく、出水の早朝は二度楽しめるのである。ホテルに戻り朝食をとり、持ち越したアネハヅルである。しかし何処にもいない、見当たらない。出水を去る時間が迫って来た。そんな時、展望台に上がっていた参加者から電話が入った‘アネハヅルいましたよ!’下に残っていた人たちとともに展望台に上がり、遠かったがアネハヅルをしっかりゲットした。
 4日間のツアーであったが、毎日興奮の連続。珍しい鳥もたくさん見られ、2019年、締めくくりの良いツアーができた。2020年もこの調子で進んでいければと強く願った年末となった。

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°歔瓩稜盛銘呂鬟織殴蠅群れ飛ぶ
諫早干拓のアシ原の上空を舞うハイイロチュウヒのメス
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E賤寝譴隆崖磧▲坤哀蹈モメが目の前を行ったり来たり
ぅ愁螢魯轡札ぅ織シギの姿に、皆の目は釘付けに
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ダ邊澆砲燭燭困爛灰汽の群れとカワウ
Ωやすい場所に止まってくれたヤマセミ
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直ぐに見つけることができたカナダヅル
早朝、大きな群れで飛び交うオナガガモ
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日の出を背景に西干拓他に戻るツルたち
やっと見つかった13季ぶりのアネハヅル
日記   2020/02/10(Mon) 11:50:04

第五十六回 2019年 最終の海外ツアー (12月8日)
 2019年も、様々な国へ同行させていただいた。そして最後のツアーとなったのが台湾金門島のツアーである。金門島は、中国福建省の南部に位置するアモイ市から、わずか2劼靴離れていない小さな島である。生息する野鳥を見てみても、台湾本土の野鳥とはだいぶ種類が異なり、台湾本土からのバーダーも多く訪れる島となっている。
 このツアーは5日間のツアーで、初日、2日目の午前中と最終日は台湾本土の野鳥を観察。中2日とちょっとが金門島での観察になっている。台湾本土では烏來と台北市内の植物園を巡る。烏來の見どころは、早朝に集まってくるベニサンショウクイだ。オスが赤く、メスが黄色。この鳥が50羽ほどの群れを作って飛び交うのである。その様は花びらを散らしたように見えとても美しい。台湾の方がこの風景を見て、鳥にはまることも多いらしい。しかし、この群飛は早朝に限られ撮影が難しいのが難点だ。烏來には、泊まる宿を中心とした山中を30分ほどで回れる1周道路がある。台湾の国鳥であるヤマムスメがよく見られ、今回も見られたのだが少々遠く残念だった。その代わりと言っては何なんだが、台湾に局所的に棲むヒゴロモというコウライウグイスの仲間が近くで見られたのは幸運であった。植物園ではゴシキドリやクロエリヒタキ、最近固有種に格上げされたヒメマルハシなどを観察。ツアー参加の方々には、金門島とは見られる野鳥がずいぶん違うことを感じられたことだろう。
 さて、金門島では2日ちょっとの時間で80種類を超す野鳥に巡り合った。その中にはヤツガシラやクロウタドリ、タカサゴモズなど、日本では珍鳥と言われている野鳥も多い。宿は海に近く養魚場、干潟、マングローブ林、芝生広場と環境に富み、早朝からバードウォッチングが楽しめる。養魚場ではアオショウビンの姿、干潟ではヒメヤマセミがホバリングを、マングローブ林ではカラムクドリ、ギンムクドリが餌取りをし、芝生ではヤツガシラ、クロウタドリがいる。早朝から興奮の連続だ。朝食後には、もう一ヶ所の干潟へ向かってみるとオニアジサシの群れが羽を休めている。突然飛び上がったと思ったら、また戻って来るというサービスを何回か行ってくれ、そのたびにシャッターの音が鳴り響いた。金門島には、自由に出入りできる公園などがいくつもある。それらの公園を時間の許す限り巡ってみる。ヤツガシラとクロウタドリは何処にでも現れる。参加者の方も ‘またか!’という雰囲気になりだんだん見なくなる。ハクセキレイもよく見かけるが、金門島はホオジロハクセキレイが多い。コイカル、ビンズイ、マミジロタヒバリ、カササギ、クビワムクドリなど次々に現れては歓声が上がる。最も盛り上がったのはエンビタイヨウチョウが現れた時だ。ちょうど地元のバーダーが撮影しており‘こっちに来なさい’と手招きしてくれた。しばらく待っていると、近くで羽を休めていたエンビタイヨウチョウが現れ、ささっと花の蜜を吸っては常緑の木に隠れ、そしてまた現れるという行動を何回もしてくれ、皆夢中でシャッターを押していた。以前、金門島にはヤマショウビンが越冬しに渡って来ていた。10羽以上はいたのではなかろうか。それが徐々に少なくなり、最近は全く渡って来なくなってしまった。ツアーでもヤマショウビンが一番人気だったが、今はエンビタイヨウチョウが一番人気になっている。
 金門島のツアーを始めてから、もう10年以上も経つ。以前いた鳥が姿を消し、そして新しい鳥が入り込み、徐々に鳥の相が変わってきているように思える。時代の流れなのか、それとも地球環境の変化の影響なのかわからないが、野鳥が多いというのは変わっていない。日本は野鳥が減ったと言われているが、野鳥が多い島金門島は変わらないでほしい。

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ゞ睫臈腓らアモイのビル群が望める(止まっているのはクビワガラス)
烏來名物ベニサンショウクイ
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ヒゴロモに出合えたのは幸運だった
じ罵種に格上げされたヒメマルハシ
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ゥ▲ショウビンはどこでも人気者
Ε曠丱螢鵐阿鬚垢襯劵瓮筌泪札
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Д泪鵐哀蹇璽嵶咾捻造鮹気好ラムクドリたち
┨場では必ずと言ってよいほど現れるヤツガシラ
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干潟で見事な群飛を見せるオニアジサシ
金門島で見るハクセキレイはホオジロハクセキレイが多い
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夕方、餌を取るため芝生に下りて来たベニバト
金門島一番に人気者エンビタイヨウチョウ
日記   2020/02/05(Wed) 09:44:48

第五十五回 11月恒例のインドツアー (11月28日)
 毎年、11月下旬はインドのツアーが組まれる。数年前までは12月に企画されていたが、冬期、訪れる北インドは霧が発生しやすく、午前中何もできないことがある。この霧の発生が、年々早まっているように思えてきたので、ツアーを前倒しで11月に行われることになった。12月も、11月も見られる鳥の種類は変わらない。とは言え、野鳥との出合いはタイミングであり、毎年必ず同じ鳥が見られるとも限らないことが、毎年訪れても飽きない理由だろう。
 さて、今回のインドツアーの特徴は、前回まで出合えてなかった鳥が数種類出現したことだ。参加された方々は、これが当たり前だと思ったことだろう。私としては‘お〜!’‘お〜!’の連続で、とても興奮した。その都度‘この鳥はツアーで初めて見られたんですよ!’と、皆さんにお叫んでいた。その鳥はというとアカアシトキ、オレンジジツグミ、カタグロツバメゲリ、レンジャクノジコだ。また、久しぶりに出現してくれた鳥もいた。ベニスズメ、バライロムクドリだ。更にブロンズトキとオオヅルは、ようやく間近で見られることができ、私としてはとても収穫の多いツアーとなった。もちろん今まで普通に見られていた鳥が現れなかったこともあったが、これこそがバードウォッチングの醍醐味なのだと思う。思い描いた通りにはならないのである。
 このツアーの最もメインとなる探鳥地が、世界遺産にも登録されているケオラディオ国立公園である。広大な湿地から形成されている国立公園で、湿地を取り囲むように林や葦原があり、自然環境に富んだ公園になっている。その広さは広大で一日では回りきることができず、丸2日間に亘って探鳥をしている。そんな広大な公園を歩き回るのも大変で、2日目は人力自転車をチャーターして公園の中間地点まで往復してもらっている。2日間で見られる鳥は110種類を超え、5日間の探鳥で160種類ほどの鳥が見られているのだから、野鳥の多さは想像できよう。野鳥の多さに驚くとともに、野鳥との距離が近いことにも驚かされる。インドは動物をとても大切にする民族である。野鳥をいじめる人などおらず、おまけにケオラディオの公園内は一般車が通れない。車を気にすることなく、近い鳥を思う存分堪能できるのである。
 入り口で入場券を買い求め、いざ出発。最初は草原や林が続く。大きな木にはエジプトハゲワシが群れをなして羽を休めている。時折、公園の外から入ってくるハゲワシ、逆に外へ向かうハゲワシが上空を通過する。少し歩くと、毎年インドコキンメフクロウが塒にしている木に到着する。皆で上から下までその気を確認すると、あっ!いたいた、洞から身を乗り出している小さなフクロウがいた。翌日は2羽になっていて、寄り添って羽づくろいする姿が可愛かった。更に歩を進めると、地面を歩いている小鳥が目に入った。オガワコマドリだ。インドでは普通の冬鳥で、ガイドにオガワコマドリが見たい!と言っても、そこらへんにいるからと一蹴されてしまう。しかし我々日本人にとっては珍鳥。オガワコマドリが現れると皆さんの目の色が変わる。林を抜けると、いよいよ湿地帯が始まる。先ず目に入ったのがカンムリワシ。枝にボーッと止まっており、右から左から。皆、好き好きなな角度から撮影。カンムリワシの目の前で動いても全く動こうともせず、せっかくなのでドアップでも撮影していると、アオショウビンもいるよ!との声。アオショウビンもインドでは普通種。これまた距離が近い。皆のシャッター音が鳴りやまない。更に歩を進めると、湿地の中に林が形成されている島がある。その島はインドトキコウやウ類のコロニーになっており、ヒナの声が騒がしく鳴り響く。今年は繁殖がは早かったのか、巣の数が少なかった。ホテイソウやスイレンのある湿地ではムラサキサギやアオサギ、バン、アジアレンカクが生活している。特に青色が美しいセイケイの姿は目をひく。ここまで、何種類の野鳥に出合えたのか、もうわからなくなっている。ガイドが脇道へと案内する。オオヅルの声が聞こえたらしい。300mくらい歩いただろうか、いたいた!オオヅルの親子が餌を取っている。ツルの仲間は警戒心が強いのが通常。ましてやヒナを連れている。皆、慎重に!と伝えたが、このツルも一向に人間を気にしない。道すがらヨーロッパチュウヒ、インドワシ、カラフトワシの猛禽類、ブロンズトキ、シロエリコウ、リュウキュウガモ、ハイイロガンなどなどが現れ、充実した脇道散歩となった。
 インドでの探鳥は、本当に鳥が近い。鳥を見た!という感覚が非常に高く、毎日毎日心が満たされるのが分かる。さて、今年の11月のツアーで、また新たな種類が現れてくれるだろうか。現れなかったとしても充実したツアーになることだろう。

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.ぅ鵐疋張◆爾能蕕瓩討療仂譴箸覆辰織▲シトキ
△海舛蕕盻蕕瓩討離レンジジツグミ
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ケオラディオ国立公園。先ず出迎えてくれるのがエジプトハゲワシ
1羽だったインドコキンメフクロウが、翌日には2羽でいてくれた
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ゥガワコマドリの出現に、皆興奮
ζ┐欧覆ぅ潺淵潺ンムリワシ。どアップでパチリ
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Дぅ鵐匹任魯▲ショウビンも普通に見られる鳥だ
大きなコロニーを作るインドトキコウ
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今回は親子で、しかも間近で見られたオオヅル
その名の通り、人が笑うように鳴くワライバトもケオラディオでは常連さん
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夕日を浴びるアジアヘビウ

日記   2020/01/29(Wed) 10:02:13

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