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第三十三回 新年最初のツアー (2月7日)
 平成の元号が最後になる年、平成31年、最初のツアーは北海道である。撮影を目的としシマエナガとシマフクロウを撮影しようとするツアーだ。中標津で降りるも相変わらずナナカマドの赤い実はたくさん残っている。今シーズンは鳥に食べられず、ただ落ちておしまいになるのだろうか。
 さて、先ずはシマフクロウの撮影になる。代が変わり、出方が不安定で、ここ数年は布団で寝たことがない。今回も明け方中心に出現し、3時台に頻繁に現れる。早めに寝て、夜中に起きるという手もあったが、その間何が起きるかわからない。案の定、2羽で現れ仲良く枝に止まる。求愛給餌を行う。生簀に2羽で降りてくる。早めに寝ていた見られなかったシーンである。昨年はヒナが孵ったものの、途中で死んでしまったようである。今年こそは繁殖を成功させ、早めに撮影を終わらせていただきたいものである。早朝は、宿の前を流れる川に棲むカワガラスの撮影。雪が降り、時折突風のような風が吹く。その風に吹き飛ばされたのか、石の上にいたカワガラスが石から滑り落ち川に落ちた。思わずプッと吹き出してしまった。カワガラスはすぐに陸に上がり、雪の壁で風をよけ、風が止むまでじっとしていた。
 さて、第一の目的のシマエナガは弟子屈にある‘鱒や’という宿に泊まっての撮影だ。鱒やのご主人は25年前に北海道に移り住み、20年前から餌台を設置して小鳥たちを呼んでいたようだ。その時からシマエナガは来ていたようである。今年は暖冬で雪も少ない。この気象は昨年と同じで、昨年はシマエナガの来方が悪く、午前中に数回、もしくは午後に数回といった具合だった。ところが今年は一日を通して頻繁にやって来る。何がそうしてしまうのか?冬の気象は関係ないようだ。今年も愛らしい姿をたくさん見せてくれた。シマエナガ、本当にかわいい鳥である。
 餌台に来る鳥はシマエナガだけではない。ハシブトガラ、シジュカラ、ゴジュウカラ、アカゲラなどなど。アカゲラは3羽も4羽もやって来る。出くわすと、直ぐに追いかけっこが始まる。餌がいっぱいあるのだから仲良く食べればよいのに!と思うのだが、これが生存競争の厳しさなのだろう。撮影していると、どこからかコツコツと木をたたく音が聞こえた。またアカゲラだろうと思いつつ、音のなる方に目をやると、なんとオオアカゲラだった。鱒やのご主人が、一度餌を食べれば毎日来るのにな!とつぶやいていたが、我々も食べに来い!と願っていたが、結局、どこかへ飛び去ってしまった。昨年見られなかった鳥がやって来た。餌台にやって来たというよりも餌台近くに訪れたと言った方が正解だろう。それはキバシリで、地面を歩くキバシリを初めて見た。
 移動中の海ではシノリガモ、ウミアイサ、ヒメウなどを目にしてきたが、年が変わってもやはり海の鳥も少ない。網走の涛沸湖では、斜里岳を背景に氷の上で佇むハクチョウたちの光景が美しかったが、やはり少ないようであった。2月14日からは、恒例の冬の道東ツアーが始まる。少ない鳥も心配だが、流氷は大丈夫だろうか。心配は尽きない。

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…垢せ間、2羽仲良く枝の上で佇むシマフクロウ
風に飛ばされまいと、雪の壁で風をよけるカワガラス
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昨年より頻繁に、また数も多くやって来たシマエナガ
せ1討靴寝菫を見ると、やはりにやけてしまう可愛らしさだ
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セ泙ら飛び移るとき、尾羽を開いていた。一瞬の出来事で撮影しなければわからなかった
出くわすと直ぐに喧嘩が始まるアカゲラ
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Дオアカゲラは朽木をたたき、自然志向
地上に降りているキバシリを初めて見た
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野付半島沖にカワアイサの大群を発見したが、その他のカモは・・・
美しい風景が広がっていた涛沸湖。
日記   2019/02/22(Fri) 09:50:14

第三十二回 台湾・金門島 (2月7日)
 平成30年最後の海外ツアーとなった台湾・金門島ツアー。金門島は台湾領でありながら、中国本土の厦門から2劼靴離れていない。島に生息する野鳥は台湾本土の野鳥とは異なり、中国本土の野鳥と言ってよい。図鑑も台湾の図鑑より、むしろ日本の図鑑の方が役に立つ。島の形は四国に似ており、東の端から西の端へ、車で30分ほどで行ける小さな島である。小さな島にもかかわらず野鳥が多く生息し、食事と寝ている時以外は常に野鳥の姿が目に飛び込んでくると言っても過言ではなかった。しかし、こんな小さい島にも開発の波が押し寄せ、以前のような賑わいが無くなったことは寂しい限りであるが、初めて訪れる人には、野鳥が多い!と感じることだろう。
 この島のメインとなる野鳥は冬鳥のヤマショウビンだったのだが、徐々に渡来数が減少し、数年前から1羽の渡来もなくなりツアーでも確認できなくなった。最近石垣島で人気が高まっているカタグロトビも、この島では普通に見られる野鳥だったが、この種も最近見る機会が少なくなってきた。変わってメインを張るようになったのがエンビタイヨウチョウだ。東南アジアに広く分布するタイヨウチョウは、どの種も羽に光沢があり、光が当たるとキラキラ光りそれはそれは美しい。おまけに主食である花の蜜を吸っている時は警戒心が薄く間近でみあっれるのがうれしい。しかし、金門島では数が少なく、また天候によっては活動が不活発になり、居るのに見過ごしてしまうことがある。今回も、ようやく最終日に探し当てることができホッとした。
 金門島には日本人が好きなヤツガシラが留鳥として生息しており、滞在中は何度も目にすることになる。幸い朝、泊まったホテル前の芝生で餌を取るヤツガシラがおり探す手間が省けた。最近数を増やしているのがクロウタドリ。カワウ、オオバン、何故黒い鳥ばかりが増えるのだろう。ムクドリの種類も豊富。最も多いのは留鳥のハッカチョウ。この鳥も黒いな!クビワムクドリも留鳥だがこちらは数が少ない。冬鳥としてギンムク、カラムク、そしてムクドリが渡来する。たまにホシムクドリを見かけることもある。そうそうカラスもいますよ。首回りが白いクビワガラスというカラス、そしてカササギだ。
 金門島は海に囲まれているため、あちらこちらに干潟が現れる。この干潟も楽しく15種類前後のシギやチドリが見られる。ソリハシセイタカシギも見たことがあるが、毎回という訳ではない。タイミングが良ければと言ったところだ。汐が満ちてくると、シギやチドリが避難場所に集まってくる。爽快なのが体の大きなダイシャクシギが数羽の群れをなして次々に飛来するところだ。美しいのはミヤコドリの群れ、そしてオニアジサシの飛来だろう。
 ツアーでは2日間の滞在で、あっという間に楽しい時間が過ぎ去ってしまう。金門島を後にして、初日と最終日は台湾本土の鳥を楽しんでいる。ヤマムスメ、クロエリヒタキを見たかったが、残念ながら今回は出合いのチャンスがなかった。変わって我々を慰めてくれたのがゴシキドリとカワビタキだ。どちらものんびりしており、近寄っても逃げもせず撮影会になってしまった。近寄っても逃げないと言えばズグロミゾゴイがいる。最近、台湾では市街地の公園などで増えていて、どこかの公園に立ち寄れば必ずいると言っても良い。今回はホテルの中庭にもいて、朝食を食べながら見られたのにはびっくりした。
 金門島に初めて訪れたのは、もう15年ほど前になるだろうか。その頃に比べれば野鳥が少なくなった。野鳥が少なくなっているのは全世界的なことだろう。どこかで、何とかしてこの減少傾向に歯止めをかけなくてはならいと、皆が思っているに違いない。我々はいったい何ができるのだろうか。真剣に考えなければならない時期に来ているような気がする。

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仝什澆龍睫臈腑張◆爾離好拭次▲┘鵐咼織ぅ茱Ε船腑
▲筌張シラが突然の伸び。見事に冠羽を広げてくれた
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今回はカラムクドリが多く見られた
ぜ農犬北椶鬚笋襪半さい鳥が、マミジロタヒバリだった。数は多くないが常連さんだ
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ザ睫臈腓棒海潺ラス、クビワガラス
Υ崖磴砲麓命燭離張襯轡の他、アカシシギ、ハマシギ、キョウジョシギなど豊富
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満潮時でも海に沈まない大きな岩に避難してくるダイシャクシギやオニアジサシなど
┘ワビタキ、川沿いに建つ人家の庭で餌でも探していたのだろう
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お腹いっぱいのゴシキドリ、枝の上で一休み
いきなり背中側から強い風が。青黒い冠羽が舞い上がるズグロミゾゴイ
日記   2019/02/22(Fri) 09:30:18

第三十一回 鳥がいない! (2月6日)
 平成30年12月の国内ツアーは、新企画の栃木県の探鳥地を巡るツアー、そして恒例のチャーター船による海鳥観察ツアーを行う。しかし、この冬は本当に鳥が少ない。北海道でも鳥が少ないのだからどうしてしまったのだろう!と、そんな気分にさせられた。
 先ずは新企画の栃木県ツアー。最初に訪れたのは奥日光。冬の奥日光と言えばアオシギである。ツアーを行う10日前くらいに下見をした。小鳥はいなかったものの、アオシギはバッチリ見られ‘よし本番!’と、意気揚々とツアーに臨んだ。しかし、どこを探してもアオシギがおらず、カワガラスばかり。結局、お客さんをたくさん歩かせる羽目になってしまっい申し訳なかった。下見の時に見られると、何故本番では見られないのだろう?そんなことが続いている。もう下見はやめておこう、そんな思いになる。
 初日は塩原温泉に止まり、朝食時。ガラス窓からアトリの数十の群れ、数百の群れが、いくつも下流側から山の方へと飛んでいく。全部で数千羽は飛んで行っただろうか。アトリだけはたくさんいるようだが、これも山が中心で、里の公園ではあまり見られていない。塩原を後にし、井頭公園へと向かう。池ではオナガガモ、ヒドリガモ、コガモなど。最近のこの池はヨシガモが目立つようになってきた。以前はミコアイサがたくさんいたが、最近はあまり入らないようである。周辺の雑木林も小鳥が少ない。アオジ、ツグミすらいない様子だ。最後に渡良瀬遊水池を巡り、チュウヒの塒入りを観察し東京へと戻った。
 栃木県ツアーの前に、北海道でチャーター船による海鳥観察ツアーがあった。中標津空港から入り、先ずは羅臼でのシマフクロウ観察であったが、その道すがらナナカマドの並木を巡ってみたが、赤い実はたわわに残り、小鳥が食べに来ている気配はなかった。北海道も小鳥が少ない。気持ちを入れ替え、さあ!シマフクロウだ。しかし待てど暮らせどシマフクロウは現れず、結局あきらめホテルへ帰ったのですが、ホテルへ向かう途中、羅臼川の欄干に止まるシマフクロウを発見。こんなことがあるとは!自然観察は何が起こるか分かりません。
 翌朝、羅臼沖で海鳥観察。しかし海鳥がほとんどいない。見られたのはウトウが少々、そして潮を吹くミンククジラ。そして港を出入りするシノリガモくらいだった。その後、他を回ってもほとんど小鳥は見られず、肩を落としていたところ、もう一つのチャーター船、落石クルーズで何とか体裁を整えた格好になった。今回はウミガラスがいつもより多く見られ、ウミスズメ・ケイマフリ、ウミバト、少なかったもののしっかり見ることができた。出航してすぐ、海に小さな鳥が浮かんでいた。大きさからとっさに‘ウミスズメの群れがいるよ!’と叫んでしまった。実はハジロカイツブリの群れであり、先入観とは恐ろしい。そして、最大の見せ場は港に到着してから現れた。大型の海鳥がぷかぷか浮かんでいる。今度はしっかり確認し‘オオハムがいますよ!’私たちのことをあまり気にしていなかったようで、目の前で潜ったり、浮かんできた利を繰り返していた。
 しかし、この冬は本当に鳥が少ない。年が変わっても冬鳥ツアーはまだまだ続く。気を重くしながら正月を迎えるようだな、そんなことを思いながら暮れを過ごしていた。

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.▲シギ、下見の時はしっかり見られたのに・・・
▲ワガラスは既にさえずっており、一足早く繁殖へ向かっているようだ
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E藁廟イ離船絅Ε劼老鮑漾この冬も20羽ほどのチュウヒが塒へと帰ってきた
ぅ曠謄襪惶△訶喘罎鉾見したシマフクロウ。
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ド畸覆魯轡離螢モは流してしまうのだが、この冬は海鳥が少なく、シノリガモをしっかり観察
μ酩嬌湘膕の海にはアビが少々
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ДΕ潺好坤瓩抜岼磴┐討靴泙辰織魯献蹈イツブリの群れ
落石沖では、例年よりウミガラスが多く見られた
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最後を飾ってくれたオオハム。これで皆さんの気持ちも落ち着いたようであった
日記   2019/02/08(Fri) 10:13:11

第三十回 インドの野鳥 (2月5日)
 長らく自然見聞録を休んでしまい、申し訳ありませんでした。ようやく余裕が出てきましたので再開です!先ずは昨年11月にツアーで訪れたインドのお話をします。
 この回からツアーの日程を一泊増やし、世界遺産のタージ・マハルを訪れることになりました。ご承知の通り、王妃の墓として建立され、計算しつくされた総大理石の建物である。それはそれは立派な建造物なのだが観光客が多く、内部の見学は立ち止まることが許されず、あっという間に終わってしまった。しかし、そこは我々バーダー。眼下にヤムナー川が流れており、川を覗くと、そこにはセイタカシギやニシハイイロペリカンなどの水鳥が。何処へ行っても双眼鏡を離さない我々はすぐにバードウォッチングを開始。世界遺産より鳥である。
 さてインドのツアーでは、主に3か所の探鳥地を巡る。その中でも、世界自然遺産に登録されているケオラディオという国立公園はすばらしい。正に野鳥の天国、一日巡って100種類もの野鳥が確認できるのも驚きだが、何より数も多い。平坦な道を一日歩き回り体はへとへとになりながらも、心はかなりの充実感を得る。先ず我々を出迎えてくれたのがエジプトハゲワシ。今回は数も多く、一本の木に10羽以上のハゲワシが止まっていた。近づいても逃げることはなく、写真をバチバチ撮りまくっていた。少し歩くと現地のガイドが木の上方を指差した。その方向を見るとかわいらしいフクロウが。毎度我々の目を楽しませてくれるインドコキンメフクロウである。今回も2羽が寄り添いお昼寝中。夜行性の彼らにとっては昼間がお休み時間なのだ。また少し歩くと、今度もお馴染みのキアシアオバトだ。いつも同じ木に群れで羽を休んでいる。まるで着ぐるみを着ているように見え、かわいらしく、私はこのハトが大好きである。それからも続々と鳥が現れる。今回の収穫の一つにインドコサイチョウが挙げられる。普段は警戒心があり、じっくりと見させてくれないのだが、水浴びをした後だったのだろう。枝に長く止まり、翼を乾かすシーンに出合えたのだ。またアジアレンカクは、光線の良い状態で長い時間見られたことも収穫だった。
 このケオラディオは、湿地環境が素晴らしい。訪れる時期はインドトキコウの繁殖時期に当たり、相当な数のインドトキコウがコロニーを作って大繁殖をしている。あちらから、こちらからヒナの騒ぐ声が騒がしく響き渡る。そんなコロニーの下の木陰でウスグロワシミミズクという大型のフクロウが塒をとっているのも面白い。そして今回はニシハイイイロペリカンの群れがよく舞い、オオフラミンゴが見られたことは初めての経験だった。ヘラシギ、ムラサキサギ、アジアヘビウ、ハイイロガン、アカツクシガモなどなど、池や湿地に多種多様な野鳥が生息している。誰も好きなカワセミの仲間も、カワセミはもちろん、ヒメヤマセミ、逃げないアオショウビンと3種類が生息。これだけの鳥がいるのだから、それらを捕食する猛禽類も当然豊富と言える。インドワシ、カラフトワシ、カンムリワシ、カタグロワシ、ヨーロッパチュウヒなどなどが生息する。
 この公園は29?と広大な公園で、到底1日では回りきれない。ツアーでは2日間に亘り巡って行くのだが、それでも全てを回りきることができるわけではない。何より何キロも歩くことになるので体力が続かない。そこでツアーでは人力自転車をお願いし、疲れたら自転車の荷台で一休み。体力が回復すれば再び歩いて探鳥。今回も大いに驚き、大いに感動し、楽しませてもらった。

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いつ見ても愛らしいインドコキンメフクロウ
い未い阿襪澆里茲Δ妨えるキアシアオバト
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イ笋辰箸犬辰り見られたインドコサイチョウ
Δ海舛蕕盻膰側でじっくりアジアレンカク
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大きなコロニーを作って繁殖インドトキコウ。ヒナの声が騒がしい
┘ぅ鵐疋肇コウの声が騒がしいのか、いや、我々を気にしているのだろう、時折薄目を開ける。
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こんな大きな群れを見たのは初めてだったニシハイイロペリカン
一向に逃げようとしないアオショウビン。
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湿地上を頻繁に飛び回るヨーロッパチュウヒ。成鳥のオスが木陰で一休み。
日記   2019/02/06(Wed) 09:52:51

第二十九回 冬鳥シーズンの始まり (11月21日)
 年に一度、この11月に宮城県北部に位置する伊豆沼・蕪栗沼のツアー。両沼を併せ、毎年10万羽を超すガンが越冬にやって来る。私にとっては、この壮大な光景を見ないと冬鳥シーズンが始まらない!そんな気持ちでいるのである。そして今年も、素晴らしい光景をガンたちと周辺の自然が味わさせてくれた。
 今回は16日からバードウォッチング主体のツアーが、そして19日から撮影主体のツアーが組まれた。16日からのツアーは、少し早めだが、先ずは冬の小鳥を狙いに裏磐梯へ足を運んだ。カラマツやハンノキの木の実を食べにマヒワの群れが飛び交い、その他アトリ、シメ、カシラダカの姿が見られたが、まだまだ鳥影は少ない。翌日にはオオマシコとレンジャクの鳴き声が聞かれたが、飛び去る姿しか見ることができなかった。そんな中で盛り上がったのはアオシギの姿を見つけた時だ。以前見たことのある場所で、皆さんにも‘もしかしたらいるかもしれない’と、半信半疑で案内をしていただけに、見られた時は本当にうれしかった。裏磐梯は、磐梯山の噴火で川がせき止められ100以上の湖沼ができた土地、裏磐梯全体が湿地帯ということができるかもしれない。別の場所でもアオシギが飛んだ姿が見られたので、あちらこちらに身を隠し生活しているのかもしれない。
 さて17日午後からは、いよいよ伊豆沼。私は撮影隊のツアーもあり21日までの滞在だ。伊豆沼と言えば、やはり早朝の飛び立ちと、夕方の塒入りは見逃せない。今回は運よく、早朝は毎回日の出を拝むことができ、夕方は雲が多かったが素晴らしい塒入りを見ることができた。それにしても毎冬、物凄い数のガンたちに圧倒され言葉が出ない。言葉では決して伝えることができない光景であり、写真でも表現できないだろう。行ったことがない方は、是非一度足を運んでいただきたいものである。
 伊豆沼・蕪栗沼の10万を超すガンの中にはカリガネ、シジュウカラガン、ハクガンといった少数派のガンが含まれる。マガンに混じり2羽で動いているハクガンに出合ったが、11羽の群れがいると耳にした。しかし残念ながらその群れには合うことができなかった。カリガネもマガンの群れに混じり、餌をついばんでいるところを見つけた。あっ、飛んで行った!と思ったら、まだマガンの群れに混じっている個体がいる。あっ、また飛んで行った!あっ、また飛んで行った!。結局40羽くらいいただろうか。以前は探し出すのが難しく、1羽見られただけで大いに喜んだものだったが、ずいぶんと目につくようになった。目につくようになったと言えばシジュウカラガンである。今では2000羽くらいがやって来ているのだろうか。今回もシジュウカラガンだけで一つの田んぼが埋め尽くされている光景に遭遇した。見ている間にも、次から次へシジュウカラガンが飛来。シジュウカラガンだけの群れも見ごたえ十分であった。このシジュウカラガンの群れを見た後、夕方の塒入りを見るため蕪栗沼へ移動しガンたちを待ち受けていると、先ほど見ていたグループだろうか、シジュウカラガンが帰ってきた。みるみるうちに沼はガンたちに埋め尽くされていったが、双眼鏡を覗くとほとんどがシジュウカラガンで、田んぼで見ていた数より多く‘やはり2000羽以上は来ているのだろう!’と改めて感じた。
 私がバードウォッチングを始めた頃は4万羽と言っていたのに、今では12万羽とも14万羽とも言われ素晴らしい光景を見せてくれるガンたち。しかしガンのように増えている鳥もいれば、多くの夏鳥のように減っている鳥もいる。野鳥を保護するというのは本当に難しく、人間がどうのこうのできるものではないだろう。でも全ての鳥が、安心してこの地球に暮らし、しっかりと子育てができるような地球であってほしいものであり、そのために私たちが何ができるのか考えていきたいものである。

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[磐梯では10年ぶりの出合いになったアオシギ
伊豆沼で、ガンのたちの早朝の飛び立ち
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N戮瞭眈造ら飛び立ったガンたちは、見事な編隊で伊豆沼上空を通過する。
ね縞、先発隊が帰ってきた。
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シ欧譴大きくなると沼の上空を何度も旋回する。
ζが沈み、暗くなっても物凄い数のガンが帰ってきた。
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ШGも満月に近い時期に合わせツアーを組む。
早朝、霧が発生した日があったが、そんな霧もハクチョウを美しく写し出す。
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2羽のハクガンと遭遇。ぽかぽか陽気で眠そうであった。
マガンの中に混じるカリガネ。位置の説明に一苦労。
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飛び立って行くカリガネ。
シジュウカラガンだけの群れも壮観である。
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沼に帰ってきたガンを見ると、ほぼシジュウカラガンだったのにはにびっくりした。

日記   2018/11/28(Wed) 09:29:35

 第二十八回 朱鷺色に染まる佐渡へ (11月1日)
 昨年下見をし、トキの美しさに惚れ、今年ツアーを企画した。おかげさまで多くの方の参加を得、二度にわたり佐渡を訪れることができた。
 初日は、先ず新潟市周辺の佐潟、福島潟、瓢湖を巡った。水鳥はまだまだ少なく、おまけにカモ類はエクリプス状態であったが、佐潟周辺の田んぼではコハクチョウが集まり、福島潟周辺の田んぼではヒシクイやマガンが餌をついばんでいた。その中に2羽のカリガネが見られたことは幸運だったと言えよう。福島潟は広大な葦原を持ち、チュウヒが数羽待っていた。チュウヒが舞う度にコガモの群れが飛び交う様子は壮観であった。夕方は瓢湖でハクチョウの帰りを待ち、掲示板では3500羽のハクチョウが飛来しているとの表記があったが、時間の関係上300羽ほどの帰りを見届けホテルへと足を進めた。
 2日目からは、いよいよトキが舞う佐渡へ渡る。新潟港ではウミネコやユリカモメが乗船客が与えるかっぱえびせんを目当てに集まって来る。就航してからも30分くらいはついてきただろうか。そのうち、餌をくれないことが分かり姿が見えなくなった。その他の海鳥については、ほとんどいなかったが、見事な虹が現れた。海では遮るものがなく、端からは端まで、初めて見る光景であった。
 さて佐渡に着き、先ずはトキが飼育されているトキの森公園へ向かうが、その途中の田んぼで早くも野生のトキに遭遇。昨年訪れた時、野生のトキは300羽と伺ったが、今年は370羽になっているという。確実に野生のトキは増え、目にする機会も増えている、というよりも確実に見られると言った方が正確であろう。今回も何回となくトキに出合うことができ、その美しさを堪能した。今回訪れた時は、丁度冬型の気圧配置になり、日本海側に筋状の雲が現れていた。そのため雨が降ったり、曇ったり、晴れたり、また雨が降ったりと、目まぐるしく天気が変わった。しかし、その目まぐるしい天気が私たちに幸運をもたらしてくれた。トキを見ている時に雨が降ってきた。トキにとっても雨は厄介者。時折羽毛に着いた雨を吹き飛ばすように体をぶるぶるさせていたが、トキがぶるぶるすると、後頭の冠羽が逆立つのである。普段見ていると、冠羽を逆立てることはなく、ぶるぶるした瞬間にはカシャカシャ・・とシャッターの音が鳴り響いた。また、虹を背景にトキを見ることができ、最終日には、何と虹がかかる空へ、トキの群れが舞ってくれたのである。その光景には、皆が息をのみ、その美しさに大きな感動を覚えた。
 学名がnipponia nipponとついたトキ。日本本来のトキは絶滅してしまったが、幸い同じ種が中国に棲んでいることが分かり、中国では既に人工繁殖に成功し、人工繁殖したトキを野生に戻していた。そのトキを借り受け、日本でも人工繁殖を行い野生に戻し、徐々に数が増えている。昔のように全国にトキが舞う姿が見られるようなるだろうか。日本には朱鷺色という美しい言葉がある。多くの方に朱鷺色とはどのような色なのか、是非見てほしいものである。

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.船絅Ε劼糧行で乱舞するコガモの群れ(福島潟)
∧‥膤稾省ヒシクイ
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M縞、瓢湖にも返ってくるコハクチョウたち
ぞ菫サ劼ら餌をもらおうとするユリカモメ
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イ靴个蕕船についてくるウミネコ
佐渡へ向かう途中に出現した見事な虹
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Я瓩もトキに遭遇
飛翔した時が美しい朱鷺色に感動
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雨が降ると冠羽をよく立ててくれる
塒に戻ってきたトキ
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トキの背景に虹が現れる
虹がかかる空に舞うトキに感動


日記   2018/11/07(Wed) 10:00:01

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