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第四十九回 二年ぶりのアラスカへ (7月20日)
 繁殖シーズンのツアーもほぼ終了とは言ったが、それは国内ツアーのことで、7月はアラスカとマレーシア、後2本の海外ツアーが残っている。
 7月中旬、成田からシアトルを経由しアラスカ州アンカレッジへ入る。空港に着くと現地の日本人ガイドが待ち受けていた。アラスカのツアーは一年おきに行なって入りため2年ぶりの再会である。握手を交わした途端ガイドの’昨日まで気温が30度を超えていたんだよ!‘の一言に皆びっくりした。日本とほとんど変わらないのである。そのせいか、小鳥たちの繁殖が早く、一昨年に比べ小鳥との出会いが少なかったように思えた。何より、このツアーのメインイベントである氷河クルーズ船から見た山々の氷河が、一昨年よりかなり少なくなっていたことに、地球の危なさを感じないわけにはいられなかった。
 さて鳥はというと、小鳥は少なかったもののタウンゼンドアメリカムシクイ、キヅタアメリカムシクイ、サメズアカアメリカムシクイなどのアメリカムシクイの仲間がちょこちょこ見られ、森の中で雛に与える虫を集めているムナオビツグミが見られたのは良かった。また、少し距離があったが日本では珍重のナキイスカに出会えたことは、一昨年ではなかったことである。梢に止まり盛んに囀っている姿に名前の由来がわかったような気がした。
 アラスカの魅力は水鳥だろう。湖沼や湿地がたくさんあり、どこを訪れても何種類ものカモがいる。マガモ、コガモ、アメリカヒドリ、クビワキンクロ、コスズガモ、ホオジロガモ、オカヨシガモなどなどだ。それらのカモ類はみな繁殖しており、かわいい雛を連れている姿もよく見られた。その他シジュウカラガンの数は多く、アカエリカイツブリもヒナ連れが多かった。一昨年あまりよく見られなかったナキハクチョウも今回はしっかり見られた。シギ類も数種類見られオオキアシシギ、コキアシシギ、アメリカイソシギは日本では珍鳥であるが、アラスカでは普通種である。既に秋の渡りが始まっているようで、アカエリヒレアシシギが海辺の近くに湿地に入り込んでいた。
 アラスカツアーのメインイベントの氷河クルーズ。乗船された多くの方は氷河を見ることが目的だが、我々は航行途中に現れる海鳥が目的だ。ウミバト、マダラウミスズメ、ミミヒメウなどが海上を飛ぶが遠い。2時間ほど経っただろうかツノメドリの姿が増えてきた。それもそのはず海鳥が繁殖する断崖に近づいたのだ。黒い断崖を白く染めるミツユビカモメのコロニー。いったい何羽いるのだろうかと思うほどの数である。船は徐々に断崖に近づく。のっぺり見えていた断崖にいくつもの棚があるのがわかるようになってきた。その棚に、いたいた!ウミガラスが整然と並んでいる。向こうの棚では、あっツノメドリだ。とことこ歩く姿が可愛らしい。棚の奥からエトピリカも現れた。何とも贅沢な一時である。しばらく海鳥を観察すると船は氷河に向かって動き出した。えー、ずっとここに居ようよ!我々の誰もがそう思ったことだろう。その後も海上に浮かぶエトピリカ、ツノメドリは点々といた。日本では、かつて天売島に4万羽のウミガラスがいたが激減。現在数を増やそうと地元の方々が努力されており、今年は60羽まで回復したそうだ。一方エトピリカは根室沖のユルリ・モユルリ島に数羽いるだけだ。日本でも、アラスカのように普通に見られる時が来るだろうか。
 最終日はハシグロアビやカナダヅル、ボナパルトカモメなど逃していた鳥をゲットしつつ、再びアンカレッジ周辺の湖沼を訪れた。
 地球規模の気候変動。日本でも台風が大型化し、雨の振り方も尋常ではない。アラスカの氷河も、恐らく物凄い勢いで溶け出しているだろう。我々にいったい何ができるのか、真剣に考えなければならない時がきたのかもしれない。

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〜穃ったヒナに餌をやるタンゼンドアメリカムシクイ
▲劵覆僕燭┐覬造鮟犬瓩襯爛淵ビツグミ
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8亀い砲気┐困襯汽瓮坤▲アメリカムシクイ
せ笋砲箸辰討狼廚靴屬蠅僚亶腓い箸覆辰織淵イスカ
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ゥ▲瓮螢ヒドリの親子
今年は見やすかったナキハクチョウ
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Д▲薀好では常連オオキアシシギ
氷河クルーズ船
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港を出港するとハクトウワシが現れた
岩棚をとことこ歩くツノメドリ
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エトピリカもたくさんいるのだが、船の接近で直ぐに逃げてしまう
最終日、ようやく近くに来てくれたハシグロアビ
日記 | No.506 中野泰敬 2019/11/15(Fri) 11:47:55


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