image  
TOP  
image
<<  2018年09月  >>
------1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30------
管理画面はこちら
第十七回 利尻島と上高地 (5月19日)
 北海道の利尻島はコマドリが多く生息している。島に到着し、一歩林に足を踏み入れれば、右から左からコマドリのさえずりが耳に飛び込んでくる。いったい何羽のコマドリが生息しているのだろう!そう思うほど林の中はコマドリの鳴き声で包まれる。さて、利尻島での真の目的はクマゲラに出合うこと。現地のガイドさんの案内でクマゲラのいる森へ。今は抱卵時期ということで、巣木の見渡せる場所で皆で待機する。北海道本土で抱卵期のクマゲラを見た時、抱卵交代は4時間に一度。最大4時間待たなければならない。しかし利尻島のクマゲラは1時間半から2時間で交代するらしい。多くの野鳥に出会いたいツアーにとっては有難いことである。そんなことを考えながらクマゲラを待っていると、雄が‘コロコロコロ・・’と鳴きながら飛んで来た。皆の中に緊張が走る。先ずは巣木近くの木に止まり辺りを見回し安全確認、そして巣木へ。止まった瞬間‘バシャバシャバシャ’とシャッター音の嵐。そんな音も気にせず雌が巣穴から飛び出し、雄が巣穴の中に入って行く。再び到着した時の静けさが戻り、皆の緊張も解け笑顔が広がった。利尻島はクマゲラの個体数が多く、今回も、結局6羽のクマゲラに出合ったことになった。抱卵交代の時間が短いのはなわばり範囲が狭く、また餌が豊富なのかもしれない。毎年、私たちにクマゲラが見られるポイントを案内してくれる現地のガイドさんに感謝!感謝!である。
 北海道にはコマドリの仲間のノゴマも繁殖している。北海道ではお馴染みの鳥だが、本州に住んでいる私たちにとっては憧れの鳥だ。ノゴマは野にいるコマドリの仲間という意味だ。草原や荒れ地を好み、利尻島では人家周辺で普通に見られる。利尻の人は早朝、裏山からのコマドリの声と、庭先からのノゴマの声で目が覚めるに違いない。ガビチョウの声で起こされる私にとってはうらやましい限りだ。
 昨年の冬はイスカが多く見られたことはご記憶のことだろう。渡りの途中だろうか、北海道でもイスカが多く、数十羽の群れがいくつも見られたことは嬉しかった。毎年、特に冬鳥に関しては気候や木の実のなり具合で様子が異なる。今回はイスカが多く見られたが、来年はそうはならないだろう。しかし来年は別の冬鳥が多く渡ってくるかもしれない。さて来年はどんな鳥が私たちを楽しませてくれることだろう。
 コマドリと言えば、本州では上高地が有名だ。今年も上高地のツアーでコマドリに出会ってきた。今年は河童橋のバスターミナル付近から声が聞かれ、河童橋付近、こなし平、明神橋までの道のりでも数ヶ所。例年より数が多く感じた。初めて訪れた時にコマドリの多さに驚いたことを覚えている。ツアーを企画してからコマドリの数が少なくなったと感じていただけに、今年の多さはとてもうれしかった。
 昨年まで上高地のツアーは1泊で行っていたが、今年からは乗鞍畳平でライチョウも見ようと欲張って2泊のツアーにしてみた。しかし、当日は風雨と霧の最悪のコンディション。畳平で駐車料金を払いトイレへ行き、早々に引き揚げた。高い駐車料金を払いトイレを借りたようなものである。しかし天は私たちを見放しはしなかった。下り途中、少し霧が薄くなったところで‘何かが動いた!’と参加者の一人の声。直ぐにバスを止め確認に行くと、ハイマツの陰で風雨を避けるライチョウの姿。走ってバスに戻り皆に声をかけライチョウのもとへ。霧が薄くなっていたため、近距離でしっかり見ることができホッと肩をなでおろすことができた。探す目が多い、ツアーならではの出来事であっただろう。
 今回のツアーで最も盛り上がったのは、キバシリの巣立ちの瞬間に立ち合えたことだ。キバシリが餌をくわえ巣穴に入って行った。望遠鏡でのぞくと、巣穴の中でうごめくヒナの顔が見える。2羽、3羽、いや4羽はいるよ!そんな会話が飛び交っている時、突然ヒナが巣穴から出てきた。巣立ちである。野鳥の巣立ちを見る機会など、普通のバードウォッチングではほとんど経験することはない。そんな貴重な場面をツアーの時に巡り合えるとは本当に幸運であった。親が餌を取りに行っている時の巣立ち。親は、巣に戻りとヒナが外に出ているのでびっくりしたことだろう。あっちへ行ったり、そっちへ行ったり、巣立ったヒナを確認に行っていたのか、それとも一か所に集めようとしていたのかわからないが、野鳥の親は大変である。結局巣からは5羽のヒナが巣立って行った。
 5月の上高地はニリンソウ、ハシリドコロ、エンレンソウなどたくさんの高山植物が咲き乱れる。私のお気に入りはツバメオモトとサンカヨウ。ツバメオモトは利尻島で足の踏み場もないほど自生しており、私の中ではややランクが下がりつつあるが、利尻島ではまだ蕾だったので、上高地で花を咲かせたツバメオモトが見られ、やはりうれしかった。高山植物に野鳥、そして美しい風景。上高地は探鳥地としてやはり素晴らしく、来年もツアーができることを祈っている。来年も皆さん、一緒に行きましょう!

クリックにて拡大 クリックにて拡大
〔擇両燭任気┐困襯灰泪疋蝓瞥尻島で)
∧卵交代するクマゲラ
クリックにて拡大 クリックにて拡大
人家の庭木でさえずるノゴマ
ず2鵑離張◆爾任鷲當娘錣砲覆辰討靴泙辰織ぅ好
クリックにて拡大 クリックにて拡大
ド雨に耐えるライチョウ
μ襪留で大量入荷のサメビタキ
クリックにて拡大 クリックにて拡大
Я穃ったキバシリのヒナ
┣栂な花を咲かせるツバメオモト

日記 | No.473 中野泰敬 2018/06/04(Mon) 09:28:13


Next > 第十八回 中国四川省 (5月28日)
Back < 第十六回 渡りの季節 (5月1日)

バードウォッチングならワイバード