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第三十八回 春の奄美大島(4月9日)
 与那国島から、渡り鳥たちのように北上してみよう。4月は奄美大島を訪れた。奄美大島では渡り鳥狙いではなく、奄美に生きる固有種や固有亜種狙いである。もちろん季節柄、渡り鳥の姿もある。干潟ではウズラシギやアカアシシギ、本州では珍しいオオメダイチドリなどが見られた。この春、特に多かったのはオジロトウネンで、干潟ばかりでなく水田でも見られた。オジロトウネンは体長が13cmほどで他のシギと一緒にいると、その小ささが際立っていた。港へ行くと、周辺の草地には例年通りムネアカタヒバリが多く、名の通り顔から胸を赤く染った夏羽になっている個体も多く見られた。それに引き替えセキレイ類の数の少なさだ。昨年も少なく、3月に訪れた与那国島でも少なかった。いったいどうしてしまったのだろう。住用地区の公園ではギンムクドリとマミジロタヒバリが見られたが、普段、新潟県や宮城県で目にしている私にとっては、ヒシクイがいたことが最も驚いた。
 さて、奄美での本来の狙いはアカヒゲやルリカケスなどの固有種である。昨年はオオトラツグミが見やすかったが、昨年、ヒナがカラスにやられてしまったらしく、その後ペアーは、どこかへ行ってしまい姿は見られなかった。しかしこのオオトラツグミ、島の中でどんどん北上しているらしく、数年も経てば観察の森で普通に見られるようになるかもしれない。ルリカケスはというと、既に巣立ったヒナを引き連れている個体、巣にいるヒナにせっせと餌を運んでいる個体、これから繁殖しようとしているのか、樹洞を見て回っている個体など、観察の森はルリカケスの数が増えている。難敵アカヒゲは、昨年大きな台風が奄美を2回も直撃し、そのため林の中の木々が大分なぎ倒されていた。そのお蔭と言っては奄美の方々に怒られてしまいそうだが、林の中が見通しが効くようになり、かつてないほどの見やすさであった。また、建物の中に巣を構えているペアーがおり、観察していると抱卵中のようであった。メスが出入りする様子や、時折、オスが見回りに来る様子が見られた。もう1種類、オーストンオオアカゲラというキツツキも狙いの野鳥だ。本州に棲むオオアカゲラの亜種で、本州の個体より白斑が少なく全体に体が黒っぽく見え、別種に思えるほど本州のオオアカゲラとは異なるほどだ。ここ数年、観察の森内で繁殖し、巣も遊歩道近くに構えることが多い。ドラミングがよく響き、今年も巣穴を掘るシーンや餌を取るシーンなど、しっかり見ることができた。
 そして、私にとって最もうれしかったのはリュウキュウキビタキである。アカヒゲの出現を待っていると、リュウキュウキビタキのさえずりが聞こえたかと思ったら、突然‘ブュッ、ブュッ’という鳴き声とともに飛んで来た。翼を開き口を開け身を低くする戦闘態勢。するともう一羽の影が‘あっ、メスだ!’。づやら求愛中だったようで、おかげで間近で見ることができた。このリュウキュウキビタキ、本州に夏鳥として渡って来るキビタキの亜種であるが、渡りをしない、色気が少々異なる、さえずりが異なる、冠羽の仕方も異なるなど違いが多く、次の野鳥目録の改定で別種扱いになるのではと期待している。このことはトラツグミの亜種、オオトラツグミにも言えることで、別種扱いの鳥が増えれば、奄美大島は固有種の宝庫になるだろう。林の中は暗く、おまけに猛毒のハブが生息している。しかしこのことが奄美の野鳥たちを守っているに違いない。是非皆さんも、奄美大島を訪れ奄美の野鳥にふれてほしい。

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ヾ崖磴任琉譽灰沺▲ジロトウネンとウズラシギ
⊃綸弔任魯▲泪汽の姿も
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春の常連さんムネアカタヒバリ
て兇凌紊魄みに来たルリカケス
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タ緇譴防颪す澆蠅織襯螢ケスの幼鳥
ξ咾涼罎明るく見つけやすかったアカヒゲ♂
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Д▲ヒゲのメスもよくさえずっていた
巣穴を掘るオーストンオオアカゲラ
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突然現れたリュウキュウキビタキ
体を伸ばしたり縮めたりしてなくズアカアオバト

日記 | No.495 中野泰敬 2019/05/08(Wed) 09:44:26


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